• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

中国からアクセスできないサイトあれこれ=ある日本人の体験―北京文芸日記

2011年05月22日

中国に河蟹(切り捨て)されたサイト一覧

先週末からネットの調子が悪い。

中国政府が新たに設立したネット管理組織「国家インターネット情報弁公室」がうまいこといっていないせいだとも聞いた。ともかく、そのせいでもう一週間以上ネットが不安定だ。政府がネットの規制を強めるときに巻き添えを食らうのには慣れている。海外のサイトへのつながりが非常に悪くなるのに難なく見られる中国のサイトには腹立たしさが増すが、その期間を我慢すれば済むことだからだ。


Google Chrome / Yaniv Golan


*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。

しかしここ最近はそうも言っていられなくなった。何故なら規制のたびに見られるサイトが減っていくからだ。 思えばボクが初めて北京にやってきた2007年9月はYouTubeも見られたし、fc2ブログだって何の問題もなく開けた。

だけどいつの間にか【ブックマーク】に登録しているだけで開いていないサイトが増え、規制のたびに自分のブログの安否を確認するようになった。 このブログだっていつシャットアウトされるかわからない。今回の特に酷いネット規制を機に、現在中国では見られないサイトやブログを出来るだけ年代順にまとめてみたいと思う。

自分の記憶だけでは不確かなので他のサイトを参考にしたいのだけど、グーグルでは『中国』という単語を入れたらもう検索できないし、現在はヤフーすら検閲されているんじゃないかと疑うほど中国関連のサイトに上手くつながらない。

だから以下の文章には日付や理由に多少の誤りがあると思う。そもそも中国で規制されているサイトを全て網羅することなどできない。あくまでも2007年から北京で暮らしている一人の日本人の感想として読んでもらえれば幸いだ。


『サイト編』

・YouTube

2008年3月に起きたチベット動乱が原因で完全シャットアウトか。 当時留学生だったボクは友人と、香港のYouTubeだったらまだ繋がるとか話していた記憶がある。あとテレビドラマやバラエティ番組を見るために、別の動画サイトを探す日本人学生が増えた。

 
・facebook

2009年6月ごろに規制されたらしい。規制されても自分にはなんの影響もなかった。しかし多くの外国人留学生が登録していたことを覚えている。

 
・twitter

2009年6月から規制とあるのでfacebookと同時期なのだろうか。そういえば中国のマイクロブログ、いわゆる微博のユーザー数が2億人を突破したというニュースを聞いたが、そのうちどれだけの人間がfacebookやtwitter のユーザーだったのだろうか。
 

・Togetter

2010年の10月か11月にシャットアウト。witterが出来なくてもツイートは読めるので非常に重宝していた。しかし中国政府の目は誤魔化すことができずシャットアウト。いつか必ず規制されると予想していたのであまりショックは受けなかった。
 

・大紀元

2007年末か2008年上旬。北京オリンピック前に大紀元で、中国のどこかで未知のウイルスが発見されて感染者続出という記事を読んだが、それ以降サイトが見られたかどうか定かではない。


・ニコニコ動画


2010 年12月9日にシャットアウト。その理由はノーベル平和賞か、それとも漁船衝突事件か。ニコニコ動画には昔から中国政府に都合の悪い動画がいくつもアップ されていたので、規制されて半年が経つ現在、冷静になって考えればよくもまぁ今まで野放しだったなと思うべきだろうか。


2011年6月7日追記:

・USTREAM

いつ頃規制されたかは不明。これだけ自由度の高いサービスを中国が許すわけがないので、規制されたのは至極妥当。海外の動画投稿サイトは基本的に見られないと考えていい。

『ブログ編』
・fc2ブログ

2010年4月からか。その理由はfc2ブログを使ったエロサイトが多かったからだと言われている。このせいで多くの2chまとめサイトと、やる夫系まとめサイトの全てが見られなくなった。
 

・ライブドアブログ

2010年8月からか。ブログ自体は見られるし、ライブドアのニュースだって見られる。だが画像が見られない。ただしアマゾン広告などのサムネイルは表示される。画像が規制されているのでこれ「中国の農民がついに戦車つくりやがった 陸海空そろったな:ハムスター速報」を見ても面白さが伝わらないし、中国嫁日記なんかそもそもマンガが読めない。
 

・Yahooブログ

2011年の1月末ごろか。ヤフーのニュースサイト自体や知恵袋などは異常なく見られる。これが規制されたとき、中国はホントにバカじゃないかと憤ったがそれ以上に不安に駆られた。


・アメーバブログ


2011年2月ごろか。このブログがシャットアウトされたニュースを聞いて、すべての在中日本人が耳を疑っただろう。いったい何のために?と。タレントのブログを見ることが中国じゃそんなに悪いことなのか。

 
・blogzine

2010年10月に見ようとしたら見られなかった。もともとこのプロバイダのブログを日常的には見ていなかったので、シャットアウトされた詳しい日時は不明。原因も見当がつかない。
 

・エキサイトブログ

2010年10月か。開こうとしたら見られなかった。

『番外編』
・ニフティブログ

2011年の3月ごろに急に見られるようになった。おそらくこの時期におこなったネット規制に漏れがあって規制が解除されたのだろう。同じ時期に、日本にいたころよく見ていたホームページも突然見られるようになった。
 

・ウィキペディア

2008年ごろか。ウィキペディアの記事自体は読めるのだけど記事内の画像が表示されない。

規制=貧乏クジ引き?

不意にやってくるネット規制にユーザー側は後手に回るしかない。ネットの不調ですぐにサイトが見られなくなる現象は、中国在住者にとって非常にナイーブな問題だ。もしもそのサイトが中国関連の記事を多く書いていたらどうだろう。間違いなく規制されたと信じる。かく言う自分も今回の雑な規制の余波を受けてブログが一時期開けなくなり、とうとうこの日が来たかと焦った。

サイトが見られないのは中国当局による規制に間違いないのだが、何故遮断したのか?という問いに彼らが答えてくれることはないし、検閲の基準を公表することもしない。最近じゃ当局側も賢くなってきて、サイト側に問題があるかのごとく偽装しているようだ。

米グーグル、「Gメールを妨害」と中国を(AFPBB News、2011年3月21日)

だから自分のブログの大元であるwebサービス会社が規制されるかどうかは運次第だ。今まで何人の中国在住者が規制のために自分のブログを放棄したか。 これまでの傾向だとメジャーなプロバイダから遮断されているようだ。自分が利用している忍者ブログには、今後も不変のマイナーさを心がけていって欲しい。

*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (10)

    • 1. アレックス
    • 2011年05月22日 21:26
    • まだ2ちゃんねるが見える(?)のが不思議。
      あそこほど中国に都合の悪いことばかり書かれているのに・・・。
    • 2. Chinanews
    • 2011年05月23日 09:13
    • >アレックスさん
      そういえば、2chはずっと河蟹されずにいますね。なんででしょうね。
    • 3. 阿井
    • 2011年05月23日 11:22
    • 2chが中国からコメントを書き込めないのは2ch側からの規制ですしね。個人的感想ですけど日本の『掲示板』の類は書き込めないだけでちゃんと見られます。

      当局からすれば例え2chでも『掲示板』ごとき1サイトを規制するのは具合が悪いんじゃないでしょうか。それに、中国に都合の悪い話題が書かれても全部日本語なので、画像や映像のインパクトと比べれば取るに足らずってことなんじゃないでしょうか。
    • 4. gtzhende
    • 2011年05月24日 14:40
    • 先月今月と連続出張。 Youtubeの福島原発ライブを見たいが為に串を一本日本で用意して行きました。
      5/20の中国出国時点ではまだ壁越えできていました。

      日本PCなら判るかな?
      -Zsr-[Zs d\.s@
      私はこれを使っています。

      しかし、詳細を書くとすぐに規制されるのだろうから残念ながら情報共有できません。あしからず。
    • 5. Chinanews
    • 2011年05月24日 19:36
    • >阿井さん

      なるほど、コメントどうもです。
      とすると、他のブログのアク禁は、中国語で解説しているサイトがあるからということかもしれませんね。
    • 6. Chinanews
    • 2011年05月24日 19:37
    • >Gtzhendeさん

      コメントどうもです。
      いろいろツールがありますが、広まるとすぐに規制されてしまうのが辛いところですね。
    • 7. ちろ
    • 2011年06月03日 17:59
    • うわぁん!うれしー。 こんなところにナカーマが居た!
      中国でつなげられないトコほんとに多いですね。
      だからiPhon買っても意味無いので悔しい。

      しかも、ADSL以下の接続だともっと酷いよw
      多分、安い回線=低所得者だから
      低所得者こそ、海外情報の接触、収集は厳禁。な感じかもしれませんね。
    • 8. 阿井
    • 2011年06月04日 18:50
    • 友人から「いまYoutube観られるよ!」と電話があり、喜び勇んでサイトを開いたら、確かに『数分間』だけ見ることができた。

      おそらく金盾の監視が緩んだ一瞬に偶然立ち会えただけなんでしょうけど、こんなのに一喜一憂される自分たちって何なんだろうと時々むなしくなります。

      サイトにかかる負荷には腹が立ちますね。中国のサイトはスイスイ開けるから余計イライラします。
    • 9. Chinanews
    • 2011年06月04日 19:43
    • >ちろさん

      そうですよね。GFW回避手段はいろいろありますが、ネット利用が大衆化したこともあって、「そんな面倒なことしなくても今で十分」という人も多いですよね。所得や学歴でかなり差がありそうです。

      >阿井さん

      ぬかよろこびでしたね……。
      確かに中国の動画サイトとか、結構回線細くてもそれなりに見られますね。
    • 10. yasugami
    • 2012年07月06日 13:52
    • 私はつながるNowというVPNサービスを使ってる。自分の自宅接続環境:上海電信2M ADSLではなかなか良かった。試してから購入することも可能なので検討してもよいかも。
      www.tngrnow.net

コメント欄を開く

ページのトップへ