• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

青海地震に表れた火事場泥棒=盗まれたチベタン・マスティフの行方―チベットNOW

2011年05月27日

ウーセル・ブログ「写真記録:ジェクンドのチベタン・マスティフはどこに行ったのか?」

チベット固有種の大型犬チベタン・マスティフは、今や中国人富裕層のステータスシンボル。値段はうなぎ登りで、最近では1頭3億5千万円もの値が付いたとのニュースもあった。

20110525_mastiff1

チベット遊牧民の牧用犬であるチベタン・マスティフは、古来よりチベット全土で飼われて来た。特に2010年、大地震に見舞われたジェクンドは産地として知られている。地震後、現地入りした救助隊が人間の救助をほっぽいて、犬を救助しているという話を紹介したこともある。
(過去記事「ダライ・ラマは私たちの太陽/チベッタン・マスチフを救助せよ」チベットNOW@ルンタ、2010年4月20日)

*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。

ウーセルさんは青海地震で救出された子犬のその後を目撃されたという。

原文:【写真記録】ジェクンドのチベタン・マスティフはどこに行ったのか?

文/ウーセル 
翻訳/雲南太郎(@yuntaitai)さん


(1)2010年4月17日、ジェクンド(青海省玉樹チベット族自治州玉樹県)で撮られた写真


この日は地震3日目。私は以前、ブログに「救援隊がチベタン・マスティフを盗む」、「救援隊がチベタン・マスティフを盗む(2)」という記事を載せたことがある。

20110525_mastiff2

ツイッターでは「ジェクンドは純血種のチベタン・マスティフの故郷と見なされている。高く売れるからよだれを垂らした人々が殺到する。でも被災地でこんな事をするのはひどすぎる」と書いた。

20110525_mastiff3

救援活動に加わった市民ボランティアの文涛(@wentommy)はツイッターで「マスティフ泥棒がいるのは本当だ。金儲けのためにやってるんだ」とつぶやいていた。
(注:文涛氏は元々大手メディアに務める記者だった。その後、芸術家・人権運動家である艾未未氏のスタッフとして働いていたが、今年4月、艾未未氏の拘束と同時に連れ去られ、行方がわからぬままとなっている。祈釈放。@uralungtaさんのご教示による。)

チベット人ボランティアも「ボランティアの名を借りてチベタン・マスティフを盗む者もいるし、ボランティア組織の名を借りて資産家の財産を掘り出す団体もある……」との活動記録を残している。

20110525_mastiff4

20110525_mastiff5

20110525_mastiff6

20110525_mastiff7

20110525_mastiff8


(2)2011年5月17日、北京で撮られた写真

20110525_mastiff10

以下はわたし自身のツイッターの書き込みだ。

・tweet
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
北京国際空港に行く途中、通州区の農村で、『チベタン・マスティフの幼犬、売ります』という看板を見た。大小のマスティフ8匹は暑さのために狂ったようにほえ、疲れ切っていた。客のふりをして売り主に話しかけた。すべてジェク ンド産のチベタン・マスティフだという。最も大きいのは生後18カ月で50万元(約627万4000円)。最も小さいのはその子どもで5000元(約6万3000円)だという。とすると、大きいマスティフは地震当時、まだ5カ月だったはずだ。地震後に連れて来たのかと聞くと、売り主は言葉を濁した。そして、「値段交渉できるよ。もっとたくさんのマスティフから選べるよ。別の場所にあるから、買いたいなら案内するよ」と言った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

20110525_mastiff11

ジェクンドのチベタン・マスティフはどこに行ったのか?写真に写っているのはほんの一部に過ぎない。チベットを旅行すれば、どこにでもチベタン・マスティフの販売所がある。消防や国境警備、武装警察の部隊が販売所を経営していることが多い。ネットで「藏獒」(チベタン・マスティフ)と検索すれば、膨大な量の販売情報が表示される。

20110525_mastiff12

20110525_mastiff13
*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。

トップページへ

 コメント一覧 (2)

    • 1. マネ
    • 2011年05月28日 00:57
    • ボランティアの名を借り、盗んで売る者いると私もそんな人いるだろうと思いますが、はっきり救援隊と指名するから、証拠が出してほしいですね。証拠ないことを言うだとデマを流す人とどこが違いますか。少なくでも連れて帰ったチベタン・マスティフと売ったのは同じものを証明する必要があるのでは?
      もし本当に飼い主不明なら勝手に人にあげるって、そんなわけないだろう。いくら高いペットだとしても、捨てる飼い主もいるです。今回日本の地震で、猫たちがうちに残ったまま避難しに行く人がいって、猫たちが共食いまでありました。(もちろん飼い主を非難するつもりはありません。生きることさえ精一杯なのに、ペットまで考え余裕はないのも理解できます。)
      政府に不満あるのは分かりますが、救援隊たちも人のために命をかけています。人の善意を踏みにじると孤立に立ち向かいます。それはチベット人たちにも良くないと思います。
    • 2. Chinanews
    • 2011年05月29日 00:09
    • >マネさん
      コメントどうもです。

      確かに救援隊の「犬救出写真」を泥棒とのタイトルで報じるのは行きすぎかも。孤立するのではとの指摘もごもっともだと。

      ただ、お金持ちのおもちゃとしてチベタン・マスティフが天文学的高値をつけているというニュースを見て、チベットの人たちが疑心暗鬼になっているというのも事実なんでしょうね。

      悩ましい問題です……

コメント欄を開く

ページのトップへ