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2011年05月27日
ウーセルさんは青海地震で救出された子犬のその後を目撃されたという。
原文:【写真記録】ジェクンドのチベタン・マスティフはどこに行ったのか?*当記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の許可を得て転載したものです。
文/ウーセル
翻訳/雲南太郎(@yuntaitai)さん
(1)2010年4月17日、ジェクンド(青海省玉樹チベット族自治州玉樹県)で撮られた写真
この日は地震3日目。私は以前、ブログに「救援隊がチベタン・マスティフを盗む」、「救援隊がチベタン・マスティフを盗む(2)」という記事を載せたことがある。
ツイッターでは「ジェクンドは純血種のチベタン・マスティフの故郷と見なされている。高く売れるからよだれを垂らした人々が殺到する。でも被災地でこんな事をするのはひどすぎる」と書いた。
救援活動に加わった市民ボランティアの文涛(@wentommy)はツイッターで「マスティフ泥棒がいるのは本当だ。金儲けのためにやってるんだ」とつぶやいていた。
(注:文涛氏は元々大手メディアに務める記者だった。その後、芸術家・人権運動家である艾未未氏のスタッフとして働いていたが、今年4月、艾未未氏の拘束と同時に連れ去られ、行方がわからぬままとなっている。祈釈放。@uralungtaさんのご教示による。)
チベット人ボランティアも「ボランティアの名を借りてチベタン・マスティフを盗む者もいるし、ボランティア組織の名を借りて資産家の財産を掘り出す団体もある……」との活動記録を残している。
(2)2011年5月17日、北京で撮られた写真
以下はわたし自身のツイッターの書き込みだ。
・tweet
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北京国際空港に行く途中、通州区の農村で、『チベタン・マスティフの幼犬、売ります』という看板を見た。大小のマスティフ8匹は暑さのために狂ったようにほえ、疲れ切っていた。客のふりをして売り主に話しかけた。すべてジェク ンド産のチベタン・マスティフだという。最も大きいのは生後18カ月で50万元(約627万4000円)。最も小さいのはその子どもで5000元(約6万3000円)だという。とすると、大きいマスティフは地震当時、まだ5カ月だったはずだ。地震後に連れて来たのかと聞くと、売り主は言葉を濁した。そして、「値段交渉できるよ。もっとたくさんのマスティフから選べるよ。別の場所にあるから、買いたいなら案内するよ」と言った。
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ジェクンドのチベタン・マスティフはどこに行ったのか?写真に写っているのはほんの一部に過ぎない。チベットを旅行すれば、どこにでもチベタン・マスティフの販売所がある。消防や国境警備、武装警察の部隊が販売所を経営していることが多い。ネットで「藏獒」(チベタン・マスティフ)と検索すれば、膨大な量の販売情報が表示される。
もし本当に飼い主不明なら勝手に人にあげるって、そんなわけないだろう。いくら高いペットだとしても、捨てる飼い主もいるです。今回日本の地震で、猫たちがうちに残ったまま避難しに行く人がいって、猫たちが共食いまでありました。(もちろん飼い主を非難するつもりはありません。生きることさえ精一杯なのに、ペットまで考え余裕はないのも理解できます。)
政府に不満あるのは分かりますが、救援隊たちも人のために命をかけています。人の善意を踏みにじると孤立に立ち向かいます。それはチベット人たちにも良くないと思います。