『絶対許さない六ヶ条』――党員にも絞まる言論規制の縄?人民日報は25日、コラム『
中紀聞:堅決維護党的政治紀律』(「中紀聞:共産党の政治的規律を堅持、擁護せよ」)を掲載した。その内容は社会的な悪事への弁護でもなければ、海外からの批判に対しての弁解でもなく。共産党員の規律、つまり内部の言論規制についてのものでした。
(中紀聞はコラムの作者。「中国共産党中央紀律委員会新聞弁公室」の略記との説もあるが、詳細は不明。)

五星红旗迎风飘扬 / 葛鲁姆
*当記事はブログ「オレ的中国の実態」の許可を得て転載したものです。
内容はいつも通りのいい加減な、古臭い言葉ばかり。簡単にいうと、胡錦濤総書記が2008年に提唱した『六个决不允许』(「絶対に許さない六カ条」)に絶対服従しろというもの。
その六カ条ですが、普段はあまり見ない、かなりキツメの言葉が並んでいまして、ちょっと不思議に感じました。というわけで、翻訳してご紹介します。こういうスローガン作りは大得意な中国共産党ですが、実行は全然ダメなんですけどねwww。
决不允许在群众中散布违背党的理论和路线方针政策的意见 。
群衆に対して、党の理論や路線方針政策に反した意見を散布するのは絶対に許さない 。
决不允许公开发表同中央的决定相违背的言论。
中央の決定と背く言論を公開発表するのは絶対に許さない。
决不允许对中央的决策部署阳奉阴违。
中央の決定、差配に面従腹背することは絶対に許さない。
决不允许编造、传播政治谣言及丑化党和国家形象的言论。
党や国のイメージを汚したり、政治的デマを捏造、散布したりすることは絶対に許さない。
决不允许以任何形式泄露党和国家的秘密
党と国家の秘密をいかなる形式であれ漏らすことは絶対に許さない。
决不允许参与各种非法组织和非法活动。
あらゆる非法組織や非法活動への参加は絶対に許さない。
この六カ条を見るとあの有名な『两个凡是』(二つのすべて)を思い出しました。『两个凡是』とは、毛沢東から国家主席の座を受け継いだ華国鋒が唱えたもの。
凡是毛泽东说的都是对的,凡是毛泽东的指示我们必须坚决执行。
毛沢東の言ったことはすべて正しい。毛沢東の指示はすべて断固実行しなければならない。
華国鋒は自分の政治地位を守るために、「二つのすべて」を提唱したと言われてますが、では胡錦濤はどうなんでしょう?
ウチの母が昔から言い続けているのは、「党が推進していることの裏を読め」ということ。 ちなみに六カ条が提唱された当時は、「党員先進性教育」の真っ盛りでした。「先進・性教育」じゃなく、「先進性・教育」なので間違えないようにwww。
とすると、この文章が掲載された意義を「裏から読む」と、共産党内に最近、「異見」(異なる意見)が多い、言う事を聞かない奴らが出てきた、胡錦濤の統制力が低下していることを示していると言えるのかもしれません。
最近、メディアも政府高官もよく話題にしている「制度改革」ですが、党内では改革をめぐっていろいろな意見の分岐がありそうです。また中国政府にとって、最も敏感な問題である天安門事件の記念日「6月4日」も間近です。また、重慶ではまるで文化大革命再来のような革命歌の合唱や、テレビ局が「赤い番組」ばかりを流すCMなしの革命チャンネルを開設したことなどが話題となっています。
外から見ると、一丸となっているように見える中国共産党ですが、内部はいろんな問題を抱え、ピリピリしているんでしょうね。
*当記事はブログ「オレ的中国の実態」の許可を得て転載したものです。