中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月01日
■「孔子VSアバター」問題という前例
問題の発言は5月30日、映画館「北京新影聯」の高軍氏がぽろりともらしたもの。ジョークのつもりだったかもしれないが、2010年には大作中国映画「孔子」上映に合わせて、当時絶好調だったアバターの公開規模が縮小されたという騒ぎがあるだけに真実味のある話だ。
(参考リンク:「映画「アバター」の上映「禁止」・縮小、背景に「国」の影…?―中国」レコードチャイナ、2010年1月20日)
5月31日付信息時報によると、高軍発言はマイクロブログで大変な話題になったという。「トランスフォーマーのファンは『建党偉業』を見に行け、さもないといつまでたっても上映されないぞ」との呼びかけまであったとか。「サラダを食べないと焼き肉食べさせない」みたいな感じだろうか。
■毛沢東の孫が横やり、湯唯のカットが全削除に?!
『建党偉業』には、もう一つ、笑うしかないスキャンダルが明らかになっている。女優・湯唯が「毛沢東の初恋の相手」として知られる陳毅陶毅役で出演予定だった。制作発表にも同席し、予告編にも姿を見せていたが、最終バージョンでは、出演シーンをすべてカットされてしまったという。
*湯唯が出演しているNG版『建党偉業』予告編。
その理由として噂されているのが、毛沢東の孫・毛新宇少将が反発したためというもの。
湯唯といえば、第64回ヴェネツィア国際映画祭グランプリ作品「ラスト、コーション」であまりに濃厚なベッドシーンを演じてしまったために、中国国内での活動を禁じられてしまった悲劇の女優。2010年にようやく活動再開が許されたというのに、「おじいちゃんの初恋の人はあんな女じゃなかった」という毛少将の横やりで出演シーンがカットされたとなれば、あまりにかわいそうだが……。