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「バラマキ政策を討て!」リアルセクシーヒーロー・紫荆侠が本当に訴えたかったこと―香港

2011年06月03日

最近、中国語圏メディアをにぎわしているのが、香港の女性ヒーロー・紫荆侠。セクシースーツから巨乳をあらわとした姿で、貧困者にお金と食事を配る慈善活動を行っている。巨乳とセクシーなスタイル、そして正体ばかりを話題とされているが、実は香港政府のバラマキ問題を鋭く追求する社会派ヒーローなのだ……多分。

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紫荆侠の活動

紫荆侠については、すでに日本語でも報道されている。

セクシーな衣装で貧民を救済する「紫頭巾」が話題=香港(中国網日本語版、2011年5月31日)
セクシー女性ヒーロー「紫荊侠」登場=正体は大物政治家の孫?!―香港(レコードチャイナ、2011年6月1日)

紫荆(バウヒニア)は香港の花。なので紫荆侠は香港のヒーローという意味です。中国網のの「紫頭巾」という訳はかなり残念な感じに。まあ、レコードチャイナも「紫荆(ハナズオウ)」としているのがちょっと……。まあ、辞書を引くと、ハナズオウと書いてあったので、辞書が悪いということで許してあげてください、お願いします。

で、この紫荆侠の活動内容はというと、

・今年3月にフェースブックを立ち上げ、貧困層救済を呼びかけ
・「先日」(具体的な日時は報じられていない)、貧困層のご自宅にでかけてお金(100香港ドル=1040円)、缶詰やカップメンなどの食べ物を配る

といったところです。


■香港政府のバラマキ政策批判

現在ではいろんなメディアが紫荆侠ネタをとりあげていますが、最初のの発信源となったのは香港紙・東方日報のようです。

セクシーな紫荊女侠、貧困者救済に金を寄贈する(東方日報2011年5月27日)
東方日報「紫荆侠」記事一覧

で、こちらを見ると、彼女の意図が香港政府のバラマキ批判にあることがよくわかります。2010年度、713億香港ドル(約7410億円)の財政黒字を計上した香港政府。今冬、市民に1人6000香港ドル(約6万2400円)ずつ還元するという政策を発表しました。

まあ、露骨な人気取りのバラマキ政策なのですが、還付方式や対象をめぐって批判が殺到。政府も対応に追われました。最終的には18歳以上の全住民に支給。今年9月から支給手続き開始という運びになりました。
「銭照収、街照上!」ジャパナビりえ的香港TV道、2011年3月3日及び5月25日付財経網参照)

紫荆侠はこの6000香港ドルを貧しい人々に寄付しようという趣旨の活動だそうで。日本の定額給付金騒ぎでも同じ問題が指摘されましたが、「裕福な人にも貧しい人にも同額配るのってどうよ。貧困対策に集中するべきなんじゃね。まして香港の格差問題はえらいことになっているように!」という問題意識です。


■ゴシップ好きのメディアが悪いのか、セクシーな衣装が悪いのか

ですが、残念ながら紫荆侠の問題提起は思いっきり失敗しているもよう。メディアを騒がせているものの、

「熟女爆乳や!」
「正体は誰だ?」
「胸をよく見れば誰だかわかるんじゃない?」
「あのセクシータレントでは?」
「いや、私、あんなにオッパイ大きくないですぅ~」
「じゃ、あれだ、共産党元老の孫娘やろ!」

とゴシップ方向ばかりが目立つ展開に。いや、セクシーすぎるオモシロ衣装に身をまとい、「私、名門出身なんです」とインタビューに答えてしまった紫荆侠さんのミスとも言えるのですが……。ちなみにこの格好は映画『キック・アス』から着想をえたとのこと。ボンクラ的にはこの一点だけでも支援したくなります。

はてさて、この紫荆侠騒ぎ、たんなるゴシップ的盛り上がりのみで終わってしまうのでしょうか?


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