中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月04日
■プランA:規定って……なに?
規定通り、目立つ位置に価格を表示しているマンション販売センターは、そう多くないという。販売員に話を聞くと、同一価格制度を順守していると弁明したが、具体的な価格については口頭でのみお伝えしますとの返答。価格をちゃんと表示せよという規定を全力で無視する力技の対策だ。
■プランB:堂々とニセ看板を表示
価格を表示しているからといって、ちゃんと規制を順守しているとは限らない。深圳市のあるマンションでは1平方メートルあたりの価格を3万3583元(約42万円)と表示していたが、深圳市計画・国土資源委員会ウェブサイトに登録されている価格は2万6400元(約33万円)。値上げ価格を表示したニセ看板を堂々と表示している。
■プランC:最初から高値で登録
広州市のあるマンション。お値段は166万元(約2080万円)と表示されているが、販売員に話を聞くと、現在の価格は107万元(約1338万円)だという。とりあえず高値で申請しておいて、販売時にはこっそり値引くという手法だ。他の手法と異なり、客としても値引いてもらった形となるだけに、問題となることが少ないのではないだろうか。
■政府と業者のいたちごっこ、解決策は?
新華社の記事は上記の事例を挙げた後、次のようにまとめている。
同一価格制度の初志は、オープンで透明性のある、健康的かつ秩序ある市場環境を構築し、不動産価格を理性的な水準に引き戻すことにあった。しかし、深圳や広州などの都市での実施状況を見るに、政策が空文化する危険性がすでに明らかとなっている。政府が「見える手」を果断に用いないことが重要な要因である。