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【いたちごっこ】価格明示規定導入から1カ月、マンション販売業者が編み出した抜け道手法とは?―中国

2011年06月04日

2011年5月1日、国家発展改革委員会は、「マンション販売価格明示規定」を施行した。マンションの販売にあたっては価格を明示すること、同じマンションについては同一価格で販売し1平方メートルあたりいくらという単価を明示することなどを定めている。

規定発表から1カ月、不動産販売業者は規制をかいくぐる3つの手法を開発したという。まさに「上有政策、下有対策」(上に政策あらば、下に対策あり)を地でいっている。2011年6月1日付新華社が伝えた。


东莞松山湖边的万科楼盘 / llee_wu



■プランA:規定って……なに?

規定通り、目立つ位置に価格を表示しているマンション販売センターは、そう多くないという。販売員に話を聞くと、同一価格制度を順守していると弁明したが、具体的な価格については口頭でのみお伝えしますとの返答。価格をちゃんと表示せよという規定を全力で無視する力技の対策だ。


■プランB:堂々とニセ看板を表示

価格を表示しているからといって、ちゃんと規制を順守しているとは限らない。深圳市のあるマンションでは1平方メートルあたりの価格を3万3583元(約42万円)と表示していたが、深圳市計画・国土資源委員会ウェブサイトに登録されている価格は2万6400元(約33万円)。値上げ価格を表示したニセ看板を堂々と表示している。


■プランC:最初から高値で登録

広州市のあるマンション。お値段は166万元(約2080万円)と表示されているが、販売員に話を聞くと、現在の価格は107万元(約1338万円)だという。とりあえず高値で申請しておいて、販売時にはこっそり値引くという手法だ。他の手法と異なり、客としても値引いてもらった形となるだけに、問題となることが少ないのではないだろうか。


■政府と業者のいたちごっこ、解決策は?

新華社の記事は上記の事例を挙げた後、次のようにまとめている。

同一価格制度の初志は、オープンで透明性のある、健康的かつ秩序ある市場環境を構築し、不動産価格を理性的な水準に引き戻すことにあった。しかし、深圳や広州などの都市での実施状況を見るに、政策が空文化する危険性がすでに明らかとなっている。政府が「見える手」を果断に用いないことが重要な要因である。

要約すれば、「政府がきちんと管理しろ、違反者を処罰しろ」ということだろう。しかし、どんなに規制しても必ず抜け穴を見つけるのが人間というもの。最終的な解決としては住宅の供給量を増やすしかない。現在は住宅価格が高ければ高いほど、土地を払い下げる地方政府にとっても利益となるため、住宅供給量を増やすインセンティブが働いていない状況だ。本気で住宅価格対策をするならば、この仕組みに手を入れる必要があるはずだが、果たして中央政府にできるだろうか?


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