中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月05日
■なんでもかんでもモスクワ中心
このような給料の差はプログラマーに限ったものではないようです。私のニジニ・ノヴゴロドの友達は、モスクワの地下鉄で「切符売り場」の求人情報をたまたま見て、大きなショックを受けたそうです。理由は、モスクワの切符売り場の店員さんがもらえる給料は、ニジニ・ノヴゴロドの外資系会社の法務担当として勤めている彼女の給料と同じだったからです。
何もかもモスクワを中心に回っているロシア。モスクワは求人情報そのものも地方よりもずっと多いようです。弟と一緒に転職サイトを色々見たのですが、モスクワには常に新たな募集があります。「ロシア国籍を持ちモスクワに自力で引っ越せる方」なら地方出身者でも歓迎される場合が多いようです。
■ネックは不動産の高さ
ただ、モスクワでネックになるのは、不動産の高さです。アパートを借りるのも高いし、買うのもロシア人のほとんどにとって考えられないぐらい高い。引越しをしようにもなかなか踏み切れない人が多いのも事実です。実際、就職が決まり、モスクワに引っ越していった弟が借りた部屋の家賃は3万ルーブル(約8万6700円)です。けっして立派とは言えないワンルームで、しかも中心部から離れているのに、この値段でした。
日本でもアパートは東京が一番高いと聞いていますけど、同じ仕事なのに東京の給料が地方より2~3倍ということってあるのでしょうか?
……あっ、日本はそういう給料の差はむしろ正社員とアルバイトや派遣との間にあったような気がします。ちなみにロシアでは私は派遣会社の存在について一度も聞いたことがありませんので、「派遣」という雇用形態はここではほとんど普及していないと思います。(アウトソーシングなら普通にあります。本来の会社の業務とは無関係の仕事はその道のプロに任せようという発想のもとで、「警備」、「食堂」、「清掃」などをアウトソーシングする会社は多いようです。)
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。