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シモネタツイートで共産党高官を風刺=それだけで1年間の労働教育処分に―中国重慶市

2011年06月05日

中国では昨年来、マイクロブログが大流行。警察や市政府など行政機関のアカウント開設も続き、市民の声を組み上げ対話する、「ネット政治」時代が到来したとも言われている。だが、その一方でマイクロブログが恐ろしい監視装置になっているという側面もある。

2011年6月5日、公益団体・公盟の創始者の1人であり、人権派弁護士として知られる許志永氏はマイクロブログでのつぶやきが原因で1年間の労働教育を科された男性の話をブログエントリーとして発表した。男性の息子が助けを求めて送ってきた手紙を紹介したものだ。


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■重慶市トップよ、クソくらえ!

4月21日、重慶市に住む方竹笋さんはマイクロブログで以下のつぶやきを発した。

勃起来窩了一駝屎,叫王立軍吃,王立軍把這駝屎端給検察院吃,検察院端給法院吃,法院端給李庄律師吃,李庄説,這駝屎太臭了,誰窩的,誰自己吃。

「勃起来」は山ほどのクソをひりだした。王立軍(薄熙来の右腕)に食えと命じた。王はクソを検察院に持っていった。検察院は裁判所に持っていた。そして裁判所は李庄弁護士に持っていた。李弁護士は言った。このクソは臭すぎる。出したヤツが自分で食いな。

勃起来:ボッキ男、薄熙来・重慶市共産党委員会書記のかけことば。
王立軍:薄熙来の右腕。重慶市副市長。
李庄:薄熙来の「打黒」(マフィア・汚職官僚撲滅)キャンペーンで逮捕されたマフィアを弁護しようとした弁護士。あらぬ罪をでっちあげられて、犯罪者にしたてられた。記事「<中国的2010年新聞>一年間にこれだけ大事件が?!暗黒十大ニュース」の「6・李庄事件」を参照。


センスのかけらもないひどい内容だが、重慶市トップに対して「クソを食え!」とつぶやいたつぶやきが大変な騒ぎを呼ぶことになる。


■説教されて終わりのはずが……1年間の労働教育に

翌22日、ネット監視科から連絡があり、方竹笋さんは出頭した。つぶやきを全部消せ、今後はこうしたつぶやきを発するなと説教はされたが、これ以上の問題にはしないと約束した。

ところがその翌日の23日、今度は崇義派出所から話を聞きたいと出頭を求められた。方竹笋さんは一度は派出所に向かったが、これまで多くの人がネットでの発 言により労働教育や懲役刑を受けたことを思い出し、派出所行きを取りやめた。家に戻りしっかりとカギをかけ立てこもった。警察は24時間体制で監視を開始。電気もガスも止めるという「攻城戦」をしかけた。

それでも方竹笋さんは家から出てこない。そこで警察は裏の手を使った。23日夜、警察は方竹笋さんの息子に連絡。「大ごとではないのだから、父親を説得して派出所に連れてきて欲しい」と依頼した。息子はこれを承諾。24日午後に派出所に向かったが、これが運の尽きだった。

警察は家の鍵を借りて家宅捜索を実施し、パソコンを没収した。さらに「大ごとにはならない」はずが10日間の治安拘留処分になると言いわたされた。それどころか、深夜には区公安局トップがやってきて、1年間の労働教育を上級機関に申請していると明かしたのだった。

結局、1週間ほど拘留された後、方竹笋さんは労働教育施設に送られた。わたされた書類には「虚構の事実により公共の秩序を乱したこと」が事由とされていた。



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