中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
■あらすじ
引きこもりの二流小説家が外で散歩している道すがら、物語を聞くことが食事の14歳前後の不思議な少女と出会った。彼女のために奇妙な物語を1つずつ語り始める。
貧弱な二流小説家と人生の負け犬の警察官がなんで怪人が蔓延る得体の知れない不死の家族の財産相続劇に巻き込まれてしまうのか?
ネクロフィリアっぽくて回復力がゴキブリ級の間抜けな殺し屋と、口やかましい美少女の生首との間にあるのはどのような怪奇で感動的な愛なのだろうか?
貧乏で不器用で不運で可哀想な神様はどうやって怪奇趣味を持つ人間たちを頼って、間違った道に迷い込もうとしている“息子”を救済するのだろうか?
特殊な職業に就き、人ごみの中に潜む妖怪と呼ばれるものたちのストーリーを本書は描いている。
この物語の主人公で二流小説家の孟饗とその親友で人生の負け犬警察官の鐘夏はひょんなことから表の顔は大富豪、裏の顔はマフィアという赤氏と出会い、彼ら一 族の不死の秘密を知ってしまう。そして人探しを頼まれるのだが、二人はいつの間にか赤一族の血みどろの家督争いに巻き込まれてしまい……。常識人の孟饗と軽率な鐘夏の掛け合いは「吐槽和反吐槽」(ツッコミとツッコミ返し)と帯文にあるようにテンポの良い応酬を見せている。 また中盤に登場する赤久蔵という少年が良い味を出している。
孟饗のもとに先日の一件以来交流が出来た赤久蔵が美少女の生首というとんでもないプレゼントを持ってきた。しかも何故かまだ生きていて、口を開けばわがままばかり言う。首だけの美少女と聞くと韓国発の某生首ギャルゲーを思い出すが、ここではむしろ聊斎志異のような怪異色が濃い。彼女が首だけの状態のまま生き続けられている謎なんか道教思想が垣間見える。
その美少女は有名な殺し屋一家の次期頭領丹左膳の彼女であり、彼の兄丹佐木に首を切り落とされていたことが判明した。
彼ら一家も赤一族と同様に人ならざる者たちで、片手さえあれば生きていけるという暗殺者の家系だった。孟饗たち3人はまたしても人外一家のお家騒動に巻き込まれてしまう。
貧乏神に取り憑かれてしまった孟饗。このままではめでたい春節早々にインフレが原因で原稿料が引き下げになるという経済法則を無視した不思議現象が起きるだけではなく、1年間金に困窮することになる。貧乏神を追っ払うだけという小説中一番ほのぼのとした構成でありながら、マフィアよりも殺し屋よりも危険なナチュラルボーンキラーが登場する。だから一番ギャグテイストの強い作品になっており、孟饗のツッコミも留まるところを知らない。後半の地の文のほとんどが彼のツッコミだ。
貧乏神に退散してもらうためには彼の望みを聞くしかない。
貧乏神の“息子”を引きこもりから更正させるべく、孟饗と鐘夏そして赤久蔵は協力して一芝居を打つことにする。だがその“息子”は頭のネジが外れたとんでもない狂人で……。
もう少しだけ告白するとボクは《銀魂》という作品が好きで、キャラ設定をする際もこの作品に偏ってしまう癖が確かにある。だがボクはやはり《銀魂》と区別したいと思っているし、中国の伝統的な特色
を持つ作品を書くことが出来ると思っている。