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領土問題で中越対立、ベトナムは米国を後ろ盾に強硬姿勢

2011年06月06日

2011年6月3日、アジア・太平洋地域の国防、安全保障担当の閣僚らが意見交換するアジア安全保障会議(シャングリラ対話)が開幕した。南シナ海での中越の対立が高まるさなかでの開催に、改めて東南アジアでの米中対立の構図が浮き彫りとなった。

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*画像は鳳凰網の報道



■中国監視船がベトナム探査船を妨害

中越の対立。その火種はスプラトリー諸島(南沙諸島)から燃え始めた。ベトナム政府は、5月26日、ベトナム国営石油会社の船舶が探査作業中、中国の監視船に妨害されたと発表した。また31日にはベトナム漁船が中国監視船から威嚇射撃を受けたとも発表している。

長年、領土問題の火種となってきたスプラトリー諸島だが、今回の問題で再び注目を集めることになった。5日にはベトナムの首都ハノイで学生ら200人が参加した中国への抗議デモが起きている。








■強硬姿勢を示したベトナム

中国と同じ共産党一党独裁のベトナムで、デモはきわめて異例の事態。当局はデモ差し止めに動いたとも報じられているが、中国に対抗するべく政府が黙認したと見る方が自然だろう。同じく5日は、ベトナムのグエン・チー・ビン国防次官が「主権の尊重を前提に、(東南アジアにおける)米軍のプレゼンスを歓迎する」と表明している(時事通信)。中国との対立に一歩も引かず、米国を後ろ盾として対抗する姿勢を示している。

また、アジア安全保障会議に出席したゲーツ米国防長官は4日、シンガポールに新型艦艇「沿海域戦闘艦」(LCS)を配備することを明かした。


■激化する米中の綱引き

中央アジア、東南アジア、南アジアを舞台として、米中はそれぞれ自国の影響力を増そうと競い合ってきた。今後、この競争は激化することになるだろう。中国は経済力と国際影響力の増大を背景に海外への展開を強化しており、米国はアフガンとイラクに注いでいた力をアジアへと再転換しつつある。

先日はビンラディン殺害事件後、戦闘機売却や軍港提供などパキスタンと中国の急接近が伝えられた。中国が一本とったと思わせるニュースだったが、今回のスプラトリー諸島の衝突で米国は存在感をアピールすることに成功。失点を取り返した、というところだろうか。


■中越対立、ネット民の反応は?

今回の中越対立を中国ネット民はどのように見ているのか。ブログ「mantou's ちうごく新聞」の記事「ベトナムと中国が南シナ海を巡り衝突 ベトナムと中国ネットユーザーの反応は? 」が面白い記事をアップしているので、ぜひご覧いただきたい。

私も中国のマイクロブログを見て回ったが、中国国旗を踏みつけるデモ隊参加者の画像がアップされ怒りのコメントを集めていた。

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そうした中で脱力させられたのは冒頭で紹介した女性兵士の写真。南シナ海で演習を受けている人民解放軍海軍の女性兵士の写真だが、「カワイイ!」「いいね!」というコメントやら、あまり紹介したくないエロ・コメントが寄せられていた。中越対立が深まっても、ボンクラ軍団は平常運転といったところか。


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  1. 1. 放浪カモメはどこへ翔ぶ。

    • [やうちさん、ニュースだよ!]
    • 2011年06月17日 00:28
    • 12日の自由時報に載った記事をはてなブックマークでブックマークしたところ、連動し...

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