中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月08日
豪州産生体牛の主要輸出先であるインドネシアには、年間で約3億豪ドル(約260億円)相当以上の生体牛が輸出されている。
■宗教戒律に基づいた食肉処理
この問題は文化の違いと宗教の違いで理解しあえない可能性があるため、上手く対応しないと尾を引く問題となる可能性が高い。
イスラム教徒はイスラム法にのっとってハラル処理された肉以外は食べてはいけない。
例えば車でヤギを轢いてしまい、ヤギの絶命が間違いないことが見て取れるとする。もちろん飼い主と轢いた側の話し合いによる賠償の問題はあるのだが、ともかく大きなナイフや包丁を手に取り、ヤギが絶命する前に喉に刃を入れる。
こうすることによりヤギはイスラム法で食べてもいい、ハラル処理がされたことになるからだ。私の現地友人にも一人、そんな経験をした人もいる。
■ハラルとは
ハラルとはイスラム法で許された項目のこと。
屠畜では、必ずムスリムが殺したものでなければならない。屠畜の際は、鋭利なナイフで「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えながら、喉のあたりを横に切断しなければならない。これらはイスラム教の聖典コーランに記載されているところに起因している。
絞殺や撲殺は禁忌。
事故や病気で死亡した家畜の死体を食肉とすることも禁忌。
また電気ショックによる処理は好ましくないとされており、子羊やヤギ、子牛などの種類によって、電気ショックの電流・電圧、通過時間が細かく規定されている。
解体処理は、牛の頭をキブラ(メッカのカアバ神殿、礼拝を行うの方向)の方向に向けて完全に血液が抜けて死んでから行う。
血を食することは禁忌なので完全に血を抜かなければならない。