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2011年06月12日
長江中・下流域では昨秋から長い干ばつが続いていた。今月初頭、ようやく干ばつが終わりを告げたかと思うと、すぐに大洪水が発生する事態となった。特に湖南省、江西省、湖北省、安徽省の被害が深刻で、地元政府は救援活動に追われている。
死者18人、行方不明者28人と深刻な被害がでたのが湖南省岳陽市。11日付新京報が詳しく伝えている。同地では9日夜から雨が降り始めた。多いところでは6時間で200ミリという豪雨が観測されており、各地で土石流が発生した。
岳陽市で起きた土石流でも最悪の被害を出したのが臨湘市詹橋鎮。現地住民は山で発生した土石流が2つの村を飲み込んだと供述している。9人が死亡、18人が行方不明となった。湖北省咸寧市でも各地で土石流が発生し、23人が死亡、10人が行方不明となった。また、一部のダムは決壊の危険があるという。
すでに甚大な被害が報告されているが、豪雨、洪水の被害は今後も拡大すると予想されている。13~15日には比較的強い降雨との予報。さらに台風接近の可能性もある。専門家は長江中・下流域及び東南沿海部での増水を予想している。特に広東省、福建省、江西省などの一部河川で「超大型の洪水」が発生する可能性もあると指摘した。
*写真は新京報の報道。他写真多数。