中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月13日
■競馬産業振興を目指す武漢市
武漢市は中国人民共和国建国前、競馬が盛んに行われていた地域だった。武漢市政府は新たな産業とするべく、競馬開催計画を温め続けてきた。香港で競馬レースを運営するオリエント・ラッキー・ホース・インダストリーを誘致し、競馬場・東方馬城を建設。完成した2003年より武漢国際競馬節を開催している。
2010年の第8回武漢国際競馬節では馬券の電子投票システムを導入した。しかし、通常の競馬のようなギャンブルではなく、勝ち馬を当てた人に景品が与えられるというシステムにとどまっていた。
そして、9日、待望の定期レース開催が発表された。「武漢速度競馬オープン」は今秋にスタート。週に1度、4~6レースが実施されるほか、国慶節や武漢国際競馬節、年度大会には特別レースも実施される。懸案のギャンブルについては見送られることになったという。観戦者にファンカードが配られ、勝ち馬を当てた成績を記録。そのポイントによって賞品が得られるという形式になる。
■中国政府の「ギャンブル拒否症」
ギャンブルではないものの、「競馬復活」のニュースはメディアに大きく取り上げられた。しかし、発表の翌日にあたる10日、中国国家体育総局報道官は「2011年のレースを認可しただけで、定期的なレースを認可したわけではない」と発言。また、「あらゆる形式の『懸賞付き競争』は認可されていない」と強調した。ファンカードによるポイント獲得システムが導入されるかも不透明な事態となった。
国家体育総局のすばやい反応は、中国政府の「ギャンブル拒否症」を改めて示すものとなった。マカオに押し寄せる中国人富裕層や共産党高官、さらに非合法のサッカーくじや電子ゲームのギャンブルなど、実際には相当程度、ギャンブルは普及しているが、政府は公的な認可に慎重な姿勢を崩さない。
雇用創出効果が高いとして注目されているギャンブル。中でも競馬は武漢をはじめ、中国の各都市が開催権認可獲得を目指す目玉種目だ。だが、「社会主義の国」としての反発、さらに国民が耽溺してしまうのではと懸念が強く、今回のようなニュースが報じられると、中国共産党内部からも強烈な反発が噴きだすことになる。
武漢市政府、馬産業関係者、そしてファンが待ち望む中国の「競馬復活」、実現するにはまだいくつものハードルが残されている。
武漢は税収面と内需拡大期待から国務院も歓迎ムードだったんですが、精神文明的な理由なんでしょうか。昨年JRA のセリでチャイナマネーが動いたんですが、武漢で走らせるためではなく、観賞用らしいのです。
ちなみに01年から05年まで、北京通州で競馬やってた頃何回か行きましたが、現金かけてましたよ。特区だと聞きました。五輪の馬術はそこでやるはずだったのに、閉鎖で香港になったのは残念でした。