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汚職官僚1万6000人が海外に逃亡、持ち出した金は1兆円!―中国

2011年06月16日

2011年6月14日、中国人民銀行ウェブサイトは、報告書『中国腐敗分子による海外への資産移転ルート及びその観測方法に関する研究』を掲載した。1990年代中期から中国を「脱出」した汚職官僚の数は1万6000~1万8000人。持ち出した資金は8000億元(約1兆円)に達するという。15日、人民網が伝えた。


it's money, comrade / pnoeric



■1万6000人と1兆円

この数字は中国社会科学院の調査資料に依拠したもの。共産党、警察、司法、国家機関、国有企業などを総計したもの。中国では汚職官僚が海外逃亡するケースが少なくない。将来の逃亡を見越して妻子を海外に住まわせ、自分だけ単身中国で働く「裸官」という言葉まであるほどだ。

逃亡先は主に北米(米国、カナダ)、オーストラリア、東南アジアに集中している。階級が低く、パチった金額が少ない人は東南アジアに。高官でごっそり持ち逃げできた人は北米に行く傾向が高いとのこと。報告書では触れられていないが、オーストラリアはその中間といったところか。


■金を持ち逃げする8つの方法

さて、報告書の白眉は第2章。汚職官僚が海外に金を持ち出す方法を紹介している。以前と比べればだいぶゆるくなったとはいえ、人民元の海外への持ち出しは制限されています。というわけで、そのための裏技を駆使する必要があるようです。

1・トランクに現金を詰めて出国
一番シンプルですばらしい!トランク開けられると大変なことになりそうですが。運び屋に頼むケースもあるようですが、持ち逃げ&追跡劇という映画のような展開もありそう。

2・地下銀行を利用
非合法の金融決済システムを使うというもの。

3・貿易決済にかこつけて持ち出し
輸入品の料金先払い、輸出品の代金受け取り遅延によって債権が海外にある状態にしておくなど、貿易にかこつけた裏技。

4・海外投資に見せかけて持ち出し
企業買収やら用地買い付けのための資金……と見せかけるという技。

5・クレジットカードでポン
海外のATMでお金を引き出しまくりという地道な荒技のよう。そんなんでいくら引き出せるのか不安ですが、マカオのカジノに突撃し、負けては引き出し負けては引き出しして95万元(約1188万円)すった人がいるそうで。これって金の持ち出しじゃないような気もするのですが。

6・タックスヘイブンを使ってみた
ケイマン諸島などタックスヘイブン、オフショア金融センターを通じてのマネーロンダリング。まあ、ロンダリングする前にどうにか金を持ち出さないといけないわけですが。

7・外国でお金を受け取る
金を持ち出すのではなく、最初から外国でためておくという技。企業に便宜をはかって、代わりにもらうキックバックを外国の口座に振り込んでもらうというもの。やっぱりスイスなんでしょうか。

8・妻や愛人に頼む
妻や愛人など近しい人を留学だったり移民だったりさせ、海外で合法的身分をゲットさせる。その後はそいつらに金を渡して合法的にお金を持ち出すというもの。

なるほどなるほど、わかりやすく整理してくれていて勉強になります。おそらく汚職官僚の皆様もこの報告書を読んで、どの方法を使うか悩まれているのではないか、と。個人的には「トランクに現金」が一番ロマンを感じるところですが……。


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