中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月17日
大方の予想通りシンガポール人などではなく、タイ人だった訳ですが、多くの日本人被害者がでた事から日本大使館がタイ警察に捜査を要請。スピード逮捕となりました。この容疑者には同様の前科があったそうですが、以前にもタイ人女性による日本人をターゲットとした同様の詐欺事件が摘発されたように、今後もこの手の犯罪は無くなる事はないかと思われます。皆様、気をつけましょうね。
陸軍司令官、反タクシン派への投票促す
そしてもう一つのニュースは総選挙関連のニュースを。報道によると反タクシン派のPAD(黄服)は、本日午前10時から、BTSエカマイ駅近くの国連本部前から、都心部のラチャプラソン交差点まで選挙ボイコットを呼びかけながらデモ行進を行う予定です。与党民主党の旗色が悪い事が確実となった先週から、おそらく守旧派の方々からの資金援助が潤沢になったためか、PADの活動が活発になってきました。
*タイラットの報道。
また昨日16日、先日の発言が物議を醸し出したプラユット陸軍司令官が再び軍報道官を通じて反タクシン派への投票を呼びかけました。その理由は、タクシン派が政権をとれば再びPADが社会混乱を巻き起こし、前回総選挙後の二の舞になるからだとか。彼の意見によるとタイでは総選挙をする意味はなく、永遠に守旧派が政権の座にある事が望ましいという事でしょうか。
つまりはタクシン派が政権をとった場合はPAD(黄服)が大規模デモを起こし社会混乱を招くが、民主党(守旧派)が政権をとれば軍がUDD(赤服)を抑え込むという意思表示でしょうね。タイでは軍部を見方につけられない政権は短命だと言われていますが、まさにそれが表面化した状態です。
*プラユット陸軍司令官。マティチョンの報道。
軍=PAD=民主党=守旧派特権階級は目的を同じとしていますので、当たり前と言えば当たり前ですが……。併せて現在の選挙報道には偏向報道をしている局があるとして、治安当局に取り締まりを要請しました。
何でも軍に苦情が多く寄せられているらしいですが、一体誰が治安当局でも選挙委員会でもなく軍に通報していると言うのでしょうか。もちろん偏向報道をしている局とは赤服系の報道を指しているのですが、治安当局が取り締まれない場合、軍が独自に取りしまる事も辞さないそうです。もうめちゃくちゃですね。
*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。