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2011年06月17日
長江中・下流域では昨秋以来、長期間にわたる干ばつに苦しんできた。今月初頭にようやく恵みの雨が降ったが、事態は一転。中国南部各地で深刻な水害が報告されている。13日からは6月に入って3回目となる豪雨が観測された。13日から17日までに25人が死亡、25人が行方不明となった。避難者数も67万人以上に達している。12日までの死者が94人と報告されており、死者は合計で100人以上に達している。
また16日午前には銭塘江の支流・浦陽江で堤防が決壊。88カ村が冠水する事態となった。銭塘江の浙江省金華市蘭渓市区間では、水位33.38メートルという1955年以来最高の水位も記録している。
*一般市民が撮影した堤防決壊地域の動画。
このほかにも中国南部の40以上もの河川で、水位が警戒レベルに達するなど危険な状態となっている。また、多数存在する小型ダム、貯水池も決壊すれば多くの被害を生み出すだけに当局は警戒を呼びかけている。10日早朝に湖南省岳陽市臨湘市で発生した土石流は、村2つを飲み込み19人が死亡する惨事となった。一説によると、改修が不十分だった小型ダムが原因になったとも伝えられている。
(記事「村を飲み込んだ土石流=豪雨洪水の死者は94人に―中国南部」)
また17日には長江上流に位置する重慶市ではオレンジ豪雨警報が発令され、今年最大の豪雨に見舞われた(中国新聞網)。長江中・下流域に加え、上流域の雨も本格化している。