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2011年06月19日
京東商城は家電ネットショップとしては中国最大手。昨年11月にはネット書籍販売にも参入し、業界最大手の当当網と二位のアマゾン卓越に挑戦した。
すでに寡占体制が築かれつつある以上、参入は遅すぎたのではとの見方もあったが、参入翌月に
は、「書籍の価格はライバルよりも20%安くする。仕入れ値を割り込んでも赤字は京東が負担する」とケンカを宣言。当当網、アマゾン卓越と泥沼の値下げ競争を繰り広げた。メディアもネット書店三国志などと題し、3社のバトルを大きく取り上げた。
戦いは年末にはいったん収束したものの、その後も今年5月の児童節商戦での値下げ競争など、京東はガチンコバトルをしかけ続けている。値下げ競争は体力勝負だが、京東は今年4月に15億ドルの大型融資を獲得したばかり。戦闘を継続するための弾丸はまだまだ豊富だ。
こうした時代に戦々恐々なのが出版社だ。実店舗が淘汰され、価格決定権をすべてネット書店に奪われてしまうのではないかとの不安が広がっている。先日、記事「4割引、5割引は当たり前!ネット書店の猛威にさらされる従来型書店」でも取り上げたが、京東の値下げは不当競争にあたるとして出版社24社が告訴する方針を示している。