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ロシア人は明るい照明が苦手?日本と異なる「ちょうどいい明るさ」―ロシア駐在日記

2011年06月20日

ロシア人は明るい照明が苦手?

私たちのロシアのオフィスは日本のオフィスと比べるとちょっと照明が暗めです。蛍光灯がいっぱいありますけれども、ロシア人スタッフはそれをつけようとしません。

この前日本人の上司は聞きました。

「電気をあまりつけないのは、会社の経費節約のためか?」

社員たちは答えました。

「いいえ、違います。これぐらいがちょうどいいですから」


Fluorescent / bredgur


*当記事はブログ「
ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。

そしてしばらくして

「しまった!!!『そうなんです、経費節約に励んでるんです!』と言えばよかった」
、と社員たちはみんな笑っていました。

特にソ連のとき、ロシアの家もお店も全部暗めでした。最近でこそシェレメテボ空港は床まで白くなって明るくなりましたけれども、暗い色の床に薄暗くて黄色い照明を覚えている方も多いかと思います。ちなみに、うちのパパが初めてロシアに行ったのが17年前ですが、「不気味に感じた」と言っていました。

しかし、こうした照明を単純に「ソ連が遅れていたから」とか「サービス精神がないから」と決めつけてはいけないと私は思います。あくまでも私の観察ですけど、ロシア人にはそういう、ちょっと暗めの照明が好きな人が多いようです。

私自身も日本に来た当初、白い蛍光灯が苦手でした。「手術室にいるみたい」という感じがしてどうしても落ち着かなかったのです。そして、部屋の照明をテーブルのライトスタンドだけにすることが多かったです。

日本で暮らしているうちに明るさにだいぶ慣れました。しかし、それでも日本人のパパとは「ちょうどいい明るさ」の感覚が違うみたいです。家の電気をパパはいつも「全開」にして、私はちょっとだけ落とす……。パパが来て「暗いな」と言ってはまた「全開」にする……。何年間もその繰り返しです。

かといって、このタチアナでもオフィスの中では明るくしたいです。そして、ここでは家とは正反対のことが起こってしまいます。私が電気をつけると、すぐ隣のデスクで座っているロシア人同僚は「消していいかな?」と聞いてきます。なかなか難しいです。

工場の作業台(特に検査台)に照明器具をつけようとしたときも、こうした「ちょうどいい明るさ」の違いがはっきりと出てきました。日本で言う「普通」の蛍光灯をロシア人作業者たちが極力いやがり、ちょっと暗めの照明を要求したのです。

しかし、ロシアでも新しい空港やショッピングセンターは日本並に明るくなってきているので、ここの人たちの「ちょうどいい明るさ」の感覚もそのうち日本人と同じになるのかもしれません。

*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。


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