中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年06月22日
■56年ぶりとなる大洪水
昨秋から続いた長江・中下流域の干ばつ。今月初頭にようやく収束したが、今度は一転して大洪水に見舞われている。浙江省では特に被害が大きく、これまでにのべ440万人が被災。直接的経済被害額も108億元(約1350億円)に達した。銭塘江の水位は33.57メートルと1955年以来の水位を記録。56年ぶりの大洪水となった。
21日時点では、浙江省の企業3311社が操業を停止している。前日からほぼ倍増している。また一部地域では道路、鉄道、電線、通信設備などのインフラにも被害が生じた。農作物の被害も深刻で、24万2000ヘクタールが被災した。野菜や果物などの価格上昇を招き、一般市民の生活を直撃する可能性もあると懸念されている。
*上記写真は網易の報道。他写真多数。
■ダムの緊急放水、居住地の冠水
華東地区最大のダムである新安江ダムでは水位が107.17メートルに達し、雨期上限水位を0.67メートル上回った。ダムの決壊を防ぐため、同ダムでは水門を開き緊急放水を実施。水位は上限水位以下にまで下がったという。西湖25個分相当の水量を放水したが、「この程度の放水量では下流に大きな影響は与えない」とアナウンスされている。
浙江省金華市蘭渓市は今回の水害で最も大きな被害を受けた地域の一つ。堤防を越えた水が居住区に流れ込んだ。農民の中には大事な財産であるブタを船に乗せて避難する姿が見られた。
*鳳凰網の報道。他写真多数。