中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月03日
- Да, Таня.(どうした、ターニャ)
つまり、電話を受けた人が電話をくれた人の名前をまず言う。電話をかけてきた人が(ほとんどの場合)自分から名乗る日本のやり方とは正反対です。
しかし、電話に出る前から相手の名前がわかるようになったのはつい最近のことです。では、その前にロシア人はどうしていたのだろう?
実は、そのときにでも電話をかけてくるロシア人は自分からあまり名乗らなかったように、私は記憶しています。仕事上の電話はそうでもなかったんでしょうけど、個人同士の電話はほとんどそうでした。
日本で言う「もしもし、田中です!」というような前置きは一切ありません。こちらが受話器をとるなり、電話をくれた人が一方的にしゃべり始める。「元気?いつからロシアに帰ってる?電話一本くれてもいいじゃない!」と、相手が親しげに話しているから、こちらから「あなたは誰?」と、よく聞けません。
しばらく相手のしゃべりに付き合って頭をフル回転させながら「この人いったい誰???」と必死に考えたことが何回もあります。電話だと人の声も微妙に違うし、間違えると相手を傷つけそうだから、余計に焦ります。
名乗らずに一方的にしゃべられて困るのは私だけなのか?人の声をうまく当てられない私は耳が悪いのか?と、実は今でも私にとってナゾなのです。
こうして見ると、昔も今も相変わらずロシアでは電話をかけてくる人は自分から名乗ることは少ないです。
ただ、私の個人的な感覚ですけど、私が声を出す前に電話に出てくれた人が私を名前で呼んでくれると、私からの連絡を待ってくれていたかのような気がして、なんとなくしゃべりやすくなる気がしました。
日本では電話をかける方が相手を気遣う。ロシアでは電話を受けた方が電話をくれた相手を気遣う。そういうことなのかな?
*当記事はブログ「ロシア駐在日記」の許可を得て転載したものです。