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2011年07月04日
プゥア・タイ党は263議席(小203+比60)を獲得し第一党に。民主党は162議席(小116+比46)と奮いませんでした。プゥア・タイ党が過半数を獲得したため、連立による民主党の政権維持も不可能となりました。
*Bangkok Postの報道。
■明暗分かれた両党首会見
プゥア・タイ党のインラック氏は3日午後7時半、党本部で記者会見を行い、「勝利とはいえ、国民の皆様に奉仕させていただく機会を得た事を嬉しく思う」と発言。小政党に関しても、国民政府として広く連立を募る考えを示しました。これに対し「民主党との連立はあらがえない圧力による望んだものではなかった」と発言し、物議を醸し出したチャートタイ・パッタナー党バンハーン党首が既に連立を打診しています。
*タイポストの報道。
また敗北した民主党のアピシット首相も午後7時半に記者会見で敗北宣言を行いました。ただ小選挙区では負けたものの、比例得票で大きな差がなかったことから、今後もタクシン元首相の恩赦に徹底して反対すると主張。続投か党首辞任かについては、明言を避けました。
*マティチョンの報道。
■プゥア・タイ党の印字が薄い投票用紙
ここで面白い話題を一つ。実は先月行われた不在者投票の際、政党番号1番のプゥア・タイ党の部分だけ印刷がかなり薄くなっていたり、他の政党はロゴを用いて分かり易くなっているにもかかわらず、プゥア・タイの名前だけがロゴも使わず極小の文字で党名が書いてある等の微妙な嫌がらせがあったと問題になりました。
その後、選挙委は新しい投票用紙を準備していたはずなのに、一部地域では差し替えられなかったとして話題になっています。ただ単に印刷が間に合わなかったのか、もしくは故意な嫌がらせなのかは、今となってはですが……。
*カオソッドの報道。
■懸念されるPADデモの再燃
これから30日以内に国会が召集され、60日以内に首相が指名される事となりますが、インラック氏が首相に就任する可能性が高い事から、タイ初の女性首相誕生となりそうですね。各国紙面が指摘している通り、今度は黄服(PAD)が騒ぎ出さないかと心配です……。
PADのアジ新聞プージャッカーン紙は早速一面に赤服がばか騒ぎをする写真を掲載し、今にも赤服が大暴れすると言った言葉でPADの集結を促しています。
*プージャッカーンの報道。
*当記事はブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。