中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月06日
調査は2010年12月から2011年5月までの間で中国国内組み込み系企業や関連メディア数十社の協力のもとオンライン上で行われたそうです。長くなるので、前編と後編にわけてお伝えしますが前編は企業側、後編では実際の開発者側の動態を説明していきたいと思います。
まずは当該開発者たちが勤務する企業の分類です。
■勤務企業の業種
トップ3は消费电子(コンシューマエレクトロニクス)が16%、通信设备(通信設備)が17%、工业控制(工業系制御システム)が13%となっています。
次は会社規模です。
■勤務企業の規模
今回の対象は小規模から中規模がメインなようですが、人数ではうまくバラけてバランスが取れているようです。次は開発プラットフォームで、まずは利用しているハードウェア(CPU)に関する質問です。
■利用ハードウェア(CPU)
ARM9をベースにしている企業が45%と断トツのトップで、ARM7が15%、ARM11が13%、Cortex M0/M3が10%、CortexA8/A9が5%と続いていますが、ARM系列がやはり主流なようです。
調査では今後、iPhoneや多くのAndroidで採用されているCortex A8などの利用が増えていくのではないか、とも予測されていました。続いては利用しているソフトウェア(OS)の調査です。
■利用ソフトウェア(OS)
組込み式Linuxが48%と断トツのトップです。
ただ、2位のWindows系とともに昨年比では減少傾向にあり、組込みLinuxが5%、Windows系が1%加工したとのことですが、その分Android系が昨年の3%から9%と6%上昇しており、Android TVが出始める今年は更にAndroidが躍進していくのではないかとも予測されています。
続いては利用プログラミング言語の調査です。
■利用プログラミング言語
組込み業界だけあってやはりメインはC言語(67%)ですね。
ただ、先のAndroidの増長に同期するようにJavaの利用者も昨年比で3%増えており、今後も上昇傾向であろうという予測も出ていました。
次は開発者の人員配置に関する調査です。
■開発者の人員配置
黄色の「ハードウェアとソフトウェアで人員配置を分け、それぞれの役割、担当などを明確にしている」というのが過半数超の56%を占めています。
「ハードウェアとソフトウェアという風には分けずプロジェクト毎に振り分けている」というのが24%、「ソフトウェアしか行なっておらずハードウェアは外部パートナーに委託している」というのが13%、その逆が4%で、「ハードウェア、ソフトウェア共に補助的にしか従事しいていない」というのが3%という感じで続いています。
次は開発者募集状況です。
■開発者の募集状況
成長を続ける市場のためか4分の3以上に当たる78%の企業が人材募集を行っています。
続いては企業内トレーニングに関する調査で、まずはトレーニングに関する参加頻度の調査です。
■企業内トレーニング参加頻度
緑色の「時間や費用の許す限り参加させている」というのが49%でトップです。
「実用的で、プロジェクトに蜜に連携した内容のものに(積極的に)参加させている」というのが26%、「必要に応じて」が19%、「自己学習」が6%と続きます。
次はトレーニングの形態に関する調査です。
■企業内トレーニング形態
黄色の「体系だっては行なっていない」というのが50%でトップです。
「企業内のシニアなスタッフがトレーニングを行っている」のが38%、「外部エキスパートを招聘して行っている」のが12%と続きます。
ただ、「体系だって行なっていない」というのは昨年比で8%減となっているそうで、学習内容のより深い専門化、新技術取得の必要性などが年々高まっており、「外部エキスパートを招聘」というのも急速に需要が高まっており、今後も上昇傾向にあるだろうという調査報告もありました。
続いては開発者がトレーニングに参加することへの企業側の支持に関する調査です。
■トレーニング参加への企業側の支持率
企業側としても他との差別化をしていく上で、専門化、新技術取得は不可避な状況でしょうからトレーニング参加への支持は圧倒的に賛成な企業が多いようです。
さて、駆け足で主に企業側に関する調査報告をお届けしましたが、後編では実際に従事する開発者に焦点をあてた調査報告をお届けする予定です。
お楽しみに~。
情報元:"华清远见教育集团"調査報告
<後編>
5兆円規模となった中国組み込み系市場=関連企業・開発者に関する調査報告(後編)―中華携帯ニュース
*当記事はブログ「Android/OPhone雑記」の許可を得て転載したものです。