約1か月にわたる事故隠しが発覚し問題となった渤海海底油田の流出事故だが、いまだに原油除去作業が続いている。「除去作業は基本的に終了した」との当局発表とはほど遠い状況だ。2011年7月9日、
財経網が伝えた。
Oil Covering a Beach - Black Sea Oil Spill 11/12/07 / marinephotobank
■経緯
渤海の海底油田・蓬莱19-3から原油が流出している。
この噂が流れ始めたのは6月中旬のこと。噂が広がる一方で当局は一切の発表をしなかった。7月1日、大手メディアがこの問題を取り上げた。5日、国家海洋局は記者会見を開き原油流出の事実を認めた。最初の流出確認からほぼ1か月がすぎてからの発表となり、事故を隠していたのではと批判されている。発表によると、蓬莱19-3付近840平方キロメートルの海域は、水質が最悪の劣4級にまで汚染されたという。
(記事「
ようやく報告された石油漏出問題=840平方キロメートルの海域が“最低”水質に―中国」参照)
■原油流出は本当にストップしたのか?
記者会見では原油流出はすでにストップし、油の除去作業もほぼ終了したと強調された。しかし、9日、財経記者が船で採掘プラットフォーム付近を取材したところ、海面には油が広がり、多くの船が慌ただしく除去作業を続けていることが明らかになったという。
たんなる除去作業だけではなく、潜水員の姿も確認された。本当に原油の流出はストップしているのか、改めて疑念を招くことになりそうだ。財経網の記事は次の一文でしめくくられている。
今回の流出事件において、情報公開の不透明性が市民とメディアの強い疑念を招いた。現在の現場状況を見るに、蓬莱19-3の原油流出事故については、各方面でまだまだ多くの「公開性、透明性」が必要なようだ。