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【写真】「史上最も短命な道路」テスト開通の翌日に崩落事故、2人死亡―雲南省

2011年07月11日

2011年6月27日、雲南省玉渓市新平イ族タイ族自治県の道路で崩落事故が発生した。乗用車1台が巻き込まれ、2人が死亡、2人が負傷する惨事となった。新三公路と呼ばれるその道路は前日にテスト運用が始まったばかりで、ネット民は「史上最も短命な道路」と呼んでいる。11日、新京報が伝えた。

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■事故の原因は地盤のもろさと大雨

当局は当初、事故について発表していなかったが、ネット掲示板で暴露され明らかとなった。新三公路は険しい山々が連なる雲貴高原の中を走る全長90キロあまりの道路。6月30日に正式開通する予定だったが、テスト開通の翌28日に倒壊事故が起き、延期となった。

8日、記者が事故現場を訪れると、道路はまだ完成とはほど遠い状況だった。ガードレールの設置や排水溝の建設などまだ工事が進められていたほか、ときおりぱらぱらと山の上から土や石が落ちてくる状況。道路崩落が2カ所、路面の亀裂が1カ所、まだ残っていた。

新平イ族タイ族自治県交通局の卜有章局長は取材に答え、事故原因は災害が多発する地質状況にあると強調した。もともと脆い地盤だったことに加え、連日の大雨で地盤が軟化。さらに山上を流れる用水路が詰まり、たまった水が一気に流れ出したことで大きな災害になったという。ただし、設計、施行、査収の各手続きに落ち度はなかったと言明している。

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■超特急での建設、その理由とは?

卜局長の言葉とは裏腹に、新三公路の建設にはいくつかの不審な点がある。

第一の問題点は「着工後に設計プランが認可された」こと。2009年10月に着工しているが、設計案が雲南省交通庁の認可を得たのは2010年5月。つまり、許可が下りる前に見切り発車で工事を始めていたことになる。

第二の問題点は「慌ただしい施行」。作業員の話によると、県政府の大号令によって工期の最後は残業の連続だったとか。上述したとおり、まだ完成とはほど遠い段階で正式開通を強行する目論見だった。6月30日までに完成すれば国の補助金がもらえるため、県政府としてはどうしても間に合わせたかったのだという。

こうした不審点も明らかとなった「史上最も短命な道路」の事故。ネットでは「雨が強すぎたのか、それとも道路の出来がひどすぎたのか?」と揶揄する声も上がっているという。

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鳳凰網の報道。他写真多数。


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