中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月12日
今月10日、山東省済南市付近で雷雨により給電システムがストップする事故が起きていた。2200億元(約2兆7500億円)と三峡ダム以上の巨費を投じた「世界一安全な高速鉄道」(@中国鉄道部)が開業11日目に起こしたトラブルは、海外メディアも注目するビッグニュースとなった。
そして、12日午前10時、今度は上海発鄭州行きの高速列車D182が安徽省宿州市付近で緊急停車した。乗り合わせた乗客がマイクロブログで状況を伝えているが、11号車両の窓から火花が散っているのが目視できたという。車内は停電しエアコンもストップしたと伝えられている。当局の発表はまだないが、電力系統のトラブルとみられる。
中国の高速鉄道には北京・天津間高速鉄道や北京・上海間高速鉄道のように専用線が用意された「狭義の高速鉄道」があるほか、在来線を走る「広義の高速鉄道」も存在する。狭義の高速鉄道はG151のように編成番号がG。広義の高速鉄道はDとなっている。
ただし、上海発鄭州行きの高速列車は上海・徐州間は「北京・上海間高速鉄道専用線」を走る設定。今回の事故も北京・上海間高速鉄道専用線区間内で起きているため、「北京・上海間高速鉄道で2回目の事故」との見出しで報じられている。
ともあれ、北京・上海間高速鉄道専用線での事故連発は、「中国高速鉄道はやっぱり危険なのではないか?」との懸念をいっそう高めることになりそうだ。