2011年7月12日、北京・上海間高速鉄道では給電設備の故障が発生。10本以上の列車が1~2時間遅れる事態となった。
高速走行中も静かな密閉型車両は停電してエアコンが止まるとあっという間に蒸し風呂へと変わる。暑さのあまり倒れた乗客もいたという。13日、
京華時報が伝えた。
D305 - Beijing to Shanghai train / gmoorenator
■鉄道当局の謝罪
12日午後3時、中国鉄道部公式サイトは事故について発表した。
7月12日午前11時、北京・上海間高速鉄道は安徽省宿州市付近で給電設備が故障。一部列車が遅れています。全力で復旧作業を続けた結果、午後1時に修理が完了し運行を再開しています。遅れによって旅客の皆様にご迷惑をおかけしたことを、鉄道部局はおわびいたします。
中国鉄道部公式サイト
また各地方の鉄道当局はマイクロブログでも謝罪している。アカウント「鉄路上海駅」は謝罪に加え、上海虹橋駅で切符のキャンセルや変更に対応する臨時窓口を開設したこと、ホームや駅内で列車を待つ乗客に速やかな説明を行ったことなどを明かしている。
■蒸し風呂で倒れた男性
今回の事故により、G11、D182など10本以上の列車に影響が生じた。
(G11などのようにGがつく列車番号は専用線高速鉄道。D182などDがつく列車番号は在来線線路も通行する高速列車を指す)停電状態でエアコンが止まったまま停車したG11では蒸し風呂状態が続き、50代の男性が意識を失って倒れたという。男性は心臓に持病があったという。列車乗務員はただちに「医療関係者、あるいは心臓病の薬を携帯されている方はお力をお貸しください」と放送した。多くのネット民がマイクロブログでこの情報を伝えている。放送に応じてある乗客が薬を提供、男性は回復したという。
■建設ペースも超特急
北京・上海間高速鉄道は2008年4月に着工。当初は2013年完成の予定だったが、世界金融危機後のいわゆる「4兆元景気対策」の目玉として資金が投じられたことで大幅に工期が短縮され、中国共産党建党90周年記念日(7月1日)の前日、6月30日に正式開通した。
1300キロもの高速鉄道がわずか3年で開通したのはまさに「中国スピード」を象徴するものといえるが、それだけに付帯設備や沿線の安全確保がまだ追いついていないとも言われている。「手抜き工事があったのでは」など、もともと安全面での不安が広がっていただけに相次ぐ故障は高速鉄道への信頼を大きく損なうものとなっている。
路肩の盛り土が落ち着いていないからと「雨降って地固まる」までは雨天延着。
新幹線を利用する日には事前に天気予報チェックが必須事項。
それでも新幹線の速度は、はじめは4時間20分ぐらいかかったのではなかったか? 徐々に早くなっていったが。
それを思えば、超特急工事+開業日から全速ぶっ飛ばしのチャイナ高速鉄道は無茶だけれど、韓国新幹線の開業時よりはましじゃないか? 導入元の技術の成熟度の関係もあるかも。