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2011年07月15日
ある業界関係者によると、「13日のトラブルはセンサーの故障により速度を上げられなくなった」ためだという。中国鉄道部の内部通達で報告されている。
トラブルが起きたG114は、ドイツのICEをベースとしたCRH380B(中国北車集団製造)。このほかに日本の新幹線をベースとしたCRH380A(中国南車集団製造)が存在する。列車には複数の速度センサーが搭載されており、1個が故障しても運行を続けることは可能なはずだが、ソフトウェアが故障したセンサーの情報を無視することができず、速度を上げられなくなってしまった。
本来ならば中国北車集団が対処しなければならない問題だが、CRH380Bの制御ソフトウェアは同社製ではないため、手を着けられないという。ソフトウェアはどこが作っているのかまでは記事では触れられていないが、ドイツ企業が担当している可能性もありそうだ。
なお中国北車集団の技術者はメディアの取材に答え、「トラブルは自動保護システムが作動したため。速度を制限することで旅客の安全を確保した」と胸を張っていたというが、「自動保護システム」なるものは存在しないと上述の内部関係者は暴露している。