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2011年07月15日
■事故6連発
10日、12日には電力系統の故障。13日には列車の速度があがらず、予備車両に交換するトラブルが起きている。
14日に問題が発生したのはG201、G105、G150の3編成。北京発のG201は何らかの故障が確認されたため、ホームから出発せず。乗客は別の列車に乗り換え、1時間遅れでの出発となった。上海発のG150は泰安駅でストップ。やはり別の列車に交換された。
そしてG105は13日の故障同様、列車の速度が上がらず徐州駅付近で臨時停車。30分程度停車した後、運行を再開した。中国鉄道部の発表によると、13日と同じく変圧器の接触不良と説明されているという。
■中国鉄道部の記者会見
14日、中国鉄道部の王勇平報道官は、人民網強国論壇でネット記者会見を実施した。事故について謝罪し、10日の事故は強風で電線が大きく揺れて柱にぶつかりショートしたため。12日の事故はパンダグラフの故障。13日の事故は変圧器の接触不良だと説明した。
14日付財新網は3回目の事故はセンサーの故障とソフトウェアの不具合によるものとの内部関係者の証言を報じており、鉄道部の説明と食い違いを見せている(参考記事)。ともあれ、14日に起きた3件のトラブルはいずれも車両に問題がある可能性が高く、中国自慢の最新鋭車両CRH380になにか構造的な欠陥がある可能性が高くなりつつある。
■中国鉄道部の説明は信じられるのか?
上述した故障原因はともかくとしても、中国鉄道部の説明は信頼できないとの声がネット民から上がっている。その一つが乗車率。王報道官は平均乗車率は106%と常に満員以上だと胸を張ったが、ネット民の報告では乗車率20%未満の列車もあったという。どう考えても「常に満員」という統計はおかしすぎると批判されている。
また13日の記者会見では、トラブルもなんのその、「歴史的なビッグプロジェクト」「技術は一流、施工も一流」「安全、安全、ともかく安全」と王報道官は自慢話を語りまくりだったが、これもまた格好のツッコミネタとなっている。