中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月17日
■「小霊通」の興亡
「小霊通」は1998年に中国でのサービスを開始。2003年に増加数は最盛期を迎えた。ユーザー数のピークは2006年10月の9341万人。当時の携帯電話ユーザー数は4億4900万人で、移動体通信機器ユーザーの6人に1人は「小霊通」を使用していた計算となる。
しかし、エリアの広さやリッチなデータサービスで勝る携帯電話が競争では勝利を収め、「小霊通」は衰退の道をたどっていく。現在のユーザー数は約2000万人。最盛期の2割強にまで落ち込んだ。2009年2月、中国工業情報化部は2011年末までのサービス中止を命じる通知を公布した。その後、明確な指示は発表されていないが、プロバイダーはユーザーに携帯電話への移行を促している。
■PHSを捨てない理由、2000万人の勇者たち
もっともいまだに「小霊通」の熱烈なユーザーも存在する。その大きな理由となっているのが通話料の安さだ。サービスが終了すれば高い携帯電話を使わなければならないと不満に思う人も多い。
また乗り換えを拒むもう一つの理由は「いまさら番号を変えられない」というもの。中国では固定電話ではなく、携帯電話やPHSを中小企業の窓口電話番号としているケースが少なくない。PHSからの移行では電話番号の変更が不可欠なため、今までつかんだ顧客や人脈を失ってしまうと悩んでいるという。
ちょっと面白いのが高額で「いい番号」を購入した人の不満。「********8888」などのように覚えやすかったり、縁起がいい番号は高額で取引されているが、サービス廃止に伴いその「資産」がムダになってしまうのかと憤り、なんらかの補償を求めると明言する人もいるようだ。
2000万人の「小霊通」ユーザー。逆境の中でも「小霊通」を捨てようとしなかった勇者たちだけに、彼ら全員を満足させ、携帯電話に移行させるのはプロバイダーにとっても困難な悩みとなるだろう。
日本はソフトバンクの支援で何とか盛り返してますけど、いずれ日本もたどる道かと(逆に言えば、ソフトバンクの余計なお世話で、延命措置が取られちゃったかつ、将来のソフトバンクモバイルユーザーが生まれたってこと(苦笑))。
ウィルコムは大事な市場(ローミング先)を失いましたね。