昨年はニンニクバブルが大変な話題となった。目端が利く人間がニンニク投機で一財産築いた、ニンニクを冷蔵倉庫にため込んでさらに値をつり上げようとする輩が出現……といったニュースでにぎわっていたが、今年は一転。
2011年7月15日付半島網によると、ニンニクの卸価格は500グラムあたり0.6元(約7.5円)と過去5年間で最低を記録しているという。生産コストを下回る水準で、ニンニク農家は売れば売るだけ赤字になるせつない状況に追い込まれた。

大蒜 / *嘟嘟嘟*
このあたりの事情は記事「【ジェットコースター物価】ニンニク・バブルから1年……今度は価格が急落―中国」に書いた通り。
ニンニク儲かるぜ→みんな作る→値段急落→みんな作るのやめる→値段急騰……
という周期の繰り返しだ。
さて、食品価格の周期というと、最近話題になっているのが豚肉。中国の消費者物価指数(CPI)高騰の元凶とされ、前年比1.5倍という高値を記録している豚肉。ところが早くも年末には暴落するのではと懸念されている。
子ブタから出荷できるようになるまでだいたい半年が必要だが、昨年末に病気が流行したことで、子ブタの生存率が低下したことが今の価格高騰の要因となっている。そして今の価格高騰を受け、養豚家たちはせっせせっせと豚を育てているはず。それが一気に出荷されるころには暴落するだろうという読みだ。そして暴落で痛い目を見た農民は養豚をやめ……という未来も十分に予想できる。
養豚業者の集約化によるプレイヤーの削減、先物市場の整備による価格予想情報の提供といった施策が求められている。中国政府もその方向に進んではいるようだが、ウーロン茶やら木製家具やらともかくありとあらゆるもので「プチバブル&崩壊」を繰り返している中国。価格の安定を実現できるのかどうか、悩ましいところと言えそうだ。