中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月18日
奇芸については、以前にも記事「高画質の正規版映画、ドラマ、アニメを放送=百度の動画視聴サイト「奇芸」がすごい!」で取り上げたことがある。海賊版動画が横行するなか、版権を取得した正規版動画を配信するというビジネスモデルを掲げている。既存の大手サイト・優酷、土豆がYoutubeモデルを採用しているならば、奇芸はHuluモデルを採用している構図だ。
品揃えならば、海賊版サイトのほうが一枚上だが、検索のしやすさや画質では奇芸のほうが上。ユーザーの支持をつかみつつあり、2010年4月の開設以来わずか1年強で、中国動画視聴サイト第3位の座についた。
現在のシェアは優酷が39%、土豆が20%、奇芸が15%という並び。今の勢いからいけば土豆との逆転は時間の問題かもしれない。
優酷、土豆はYoutubeモデルでの経営を長年続けてきたが、アクセスは集めてもそれ以上のコストがかさみなかなか利益を挙げられないでいた。今年になって優酷はようやくIPOに成功。土豆も間もなくIPOを実施する予定だ。しかし、海賊版動画への批判も高まる中、版権取得を売りにする強力なライバルが登場したことは両社にとって脅威だろう。
既存大手サイトは時代の流れに合わせてクリーンなビジネスモデルを構築できるのか。それとも時代の徒花で終わるのか。奇芸の快進撃で、中国動画視聴サイトの構図も大きく変化しそうな気配だ。