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2011年07月19日
隣の家がアオギリの木を植えた。いつも私の前で自慢している。
なんでもパリからワシントンに移植したものだとか……。
ならばと私もモスクワから白樺の木を取り寄せた。しかも原産地はドイツのベルリンだ。
月日がたつにつれ、私の木もお隣の木もどんどん大きくなっていく。ただ、お隣のアオギリのほうがうちの白樺よりもよく茂っている。でも私は気にしなかった。
それからまたしばらくたって、私の木はあんまり役に立たないことに気づいた。でも意固地になって、「俺の木はな、夏はクーラーよりもっとすごいぜ」とウソを言い張り続けていた……。
私の数少ない友人たちはよく家に遊びに来てくれる。私の木を見るといつもお世辞でほめてくれる。私もそのたびにこのすごい「クーラー木」を自慢していた。
ある日のこと、金さんという友達が私の家に涼みにやってきた。ところがその時、木の葉に虫がついていることを見つけた。そればかりか、一匹は彼の服に落ちたという。ひょっとして、この木はあまりいい木じゃないのでは。私はそう疑い始めた。
切ってしまおうかとも思ったが、お隣さんに笑われるのはイヤだ。そこでいい方法を思いついた。お隣のアオギリの枝を切って、うちの白樺に接ぎ木しようって。不思議なことに私の木の病気は治って、またいい感じに成長し始めたじゃないか。それで私は得意になって、毎日、この涼しいすごい木を自慢し始めた。
ある人は「これは白樺ですか、それともフランスのアオギリですか」と聞いてきた。そこで「白樺だろうが、フランスのアオギリだろうが、涼むことさえできればいい木なのだ」と言い返してやった。それから、私はこの木に新しい名前をつけてやった。「特樺の木」という。それから親戚や友人、そしてわたし自身も毎日この木の下で涼むようになった。
こうして数年が過ぎたある日のこと、お隣さんが会いに来た時、木の葉に虫食いがあると教えてきた。どうせうらやましがっているのだろうと思って気にかけなかった。それから何人もの友達がこのことを私に知らせてきた。彼らに言ってやったよ。「この木は世界一いい木なんだ。これからどんどん大きくなって、お隣の木を完全に覆い尽くすだろう。影になったお隣の木は枯れていくだけだ。君たちもこの私の木に自信を持ちなさい」、と。
さらに月日が経つと、お隣さんや友達たちは病気がますます大変なことになっていると気づいたが、実は私自身もがこの木が害虫だらけだということに気がつくようになった。でも、このまま引き延ばせばいいやと私は思った。自分の代だけこの木で涼めればいい。それに虫は小事、メンツは大事だ。
でも、その後、幹や根まで虫だらけになり、私も友人たちもこの大樹の陰で涼むことはできなくなった。まもなく枯れてしまうだろう。もうどうしようもない。見ると、お隣さんの木は元気いっぱいだった。以前、私がけなしたような弱っていく様子なんかどこにもない。
みなさん教えてください。私はどうしたらいいでしょう?この木を根から抜いて、別のいい木に替えればいいのでしょうか?お隣さんのような木に、です。どうでしょうか?
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