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オレを笑い死にさせる気か!毛沢東の孫、「ネタ将軍」こと毛新宇少将の新ネタがすごい―金ブリ浪人のススメ

2011年07月19日

香港鳳凰テレビ「毛沢東主席の御嫡孫、毛新宇閣下からのメッセージをお聞きください」

ブログ「大陸浪人のススメ」と「KINBRICKS NOW」のコラボ企画「金ブリ浪人のススメ」。一つのネタについて、迷路人(安田峰俊)さんとChinanewsが別々に解説してみようという趣旨です。

今回は毛沢東の孫、毛新宇氏について(参考リンク:大陸浪人のススメ)。毛沢東の孫というご出自だけではなく、ユーモラスなお姿、下手すぎる字、音痴すぎる歌、美人の奥さんと、中国ネット民の腹筋を痛めつける「中国のスーパー・ネットアイドル」としての座を確固たるものとしていますが、今回、ご紹介するネタでは新たに「とぼけ芸の極地」を披露しております。

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下記は香港・鳳凰テレビのインタビュー動画を翻訳したもの。中国一般ピープルにとって最大の悩みである住宅問題について、毛少将に聞いてみようという企画です。

インタビュアー:
現代社会にはさまざまな問題があります。特に20~30代の若者が非常に関心を持っている、例えば不動産価格の高騰といった問題についてですね、閣下は平時よりご関心をお持ちになっておられるのでしょうか。

毛少将:
あーん、うーむ……。不動産となあ……。いや、実のところを言うと、自分はこの手の話にはあんまり詳しくないのだなあ。わははは。

インタビュアー:
そうですか。

毛少将:
まあ不動産について言うなら、こういうことは重視するべきではないこともないのではないかな。うん。

インタビュアー:
あの、『カタツムリの家』という中国の人気ドラマをご覧になったことはございますか?

毛少将:
あーん、見たことないなあ。

インタビュアー:
はあ。

毛少将:
あーん、しかしだな、不動産の問題とはいわゆるひとつの現実的な問題だと思うし、いわゆるひとつの気づきのようなものを自分に与えてくれるなあ。

自分はだね、教育問題と生態環境問題と国防軍隊の建設問題と企業の発展問題に興味を持っているわけだが、今後は君が指摘してくれた例のあの、民生の方面についてもだね。実のところ自分はこの問題について強調しておきたいことがあるのだよ。

ええと、民生の方面ではやはり医療問題を重視するべきだと思うね。医療と不動産こそ、民生の方面で特に重要な二大問題だ。

インタビュアー:
ええ、最近は「房奴(=不動産奴隷)」という言葉も非常に流行していますね。

毛少将:
そうだなあ……。いわゆるひとつの不動産、いわゆるひとつの医療がだね、最も現実的で困ったことなのだよ。

インタビュアー:
はあ。

毛少将:
特に両者を比べると、やっぱり医療の問題が重要なんだがね。だって、人間の健康に関わるからな。

インタビュアー:
閣下は不動産については……。

毛少将:
医療の問題というのはいわゆるひとつの、つまり薬代の問題だよ。薬ね。薬代の問題。

まあ実のところ医療と教育の問題というのはだな、やはりいわゆる、ひとつのまあカネの問題からは不可分の問題だなあ。病院に行ってもカネがかかる。特に、やはり薬代の問題だ。

インタビュアー:
はあ、ははは……。

毛少将:
医療問題というのはつまり、いわゆるひとつの医療費だよ。あと、庶民にとっての薬代の問題だ。えーと、もちろんこれはだね、わが国が特に薬品の価格を抑え、特に庶民の医療費の負担を減らしてやるべきなんだ。


さらにもうひとつの医療問題とはだね、医療の治療水準を絶えず向上させ続けることなのだ。

最近はだね。ええと……、最近は病気が増えているようだから。わはは。

インタビュアー:
あのう……。話が変わりまして若者の就職の問題についてなのですが。

最近は「アリ族(=中国版ワーキングプア)」という新語が流行しています。アリのように群がり住む人々のことです。例えば、北京の唐家嶺には多くの大卒ワープアや大卒無職者が住んでおり、毎日市内に仕事を捜しに行ったり、非常に厳しい仕事を余儀なくされたりしております。

この問題について閣下のご見解はいかがでありましょうか。

毛少将:
それはだね、いわゆるひとつの、就職難の問題か、うん。

現在はみんな個人で起業しようと主張しているな。なぜなら、ええと、ああ。就職先が少ないから、多くの人が起業に踏み込む必要があるのだ。みんなが起業すれば雇用も生まれる、就職難の問題もみんなで世話できる。

インタビュアー:
しかし、彼らはなかなかそういうわけにも……。

毛少将:
現在の就職難の問題というのはだな、つまり大学生は、大学生はだな。いや大学生だけではなく、一部の大学院生もだな、就職が非常に非常に困難であるわけだぞ。

インタビュアー:
はい、そうですね。(ため息交じり)

毛少将:
君がさきほど話した不動産の問題についてもだね、自分は今後より勉強しなくちゃいけないと思っている。

なぜなら不動産の問題というのは、自分はこれまでそんな問題を目にしたことがないのだ。うーん、不動産の問題は確かに大変だよ。こんなに多くの人間がだね、いちばん大変なのはだね、家が買えなくちゃ結婚できないだろう。

インタビュアー:
そうですよ。

毛少将:
家が買えなくて結婚できないとすれば――

インタビュアー:
子どもを産むにも、とっても不便ですよね。

毛少将:
うむ、子どもを産むにも、とっても不便だ。就職して家を買わなくてはならない。自分もこれについてはもうちょっと勉強しなくちゃいけないと思う

インタビュアー:
ハハハハ……。

読んでいるだけで頭が混乱してくる、ドラッグのようなやりとり。毛少将のとぼけ芸はレベルが高すぎると大笑いさせてもらった。「大陸浪人」の安田さんもクソ忙しいはずなのだが、この楽しすぎるインタビューを見て、勢いでブログを書いてしまったのではないだろうか。

もちろん、毛少将のとぼけ芸は中国ネット民にも届いている。というわけで、彼らの反応をご紹介。

【毛新宇閣下、中国の不動産問題を語る】 新浪微博

(元ツイート)
毛新宇閣下、不動産問題を語る。
どうやったら噛みあわない問答ができるのか、
どうやったら相手の頭を混乱させることができるのか、
動画を見た君に教えてくれる名作だぞ!
http://video.sina.com.cn/v/b/42226429-1760492281.html


@名無し人民(江蘇省♂)7月18日 20:47
彼の思考が混乱しているという問題こそ、まさに最大の問題ではないか。


@名無し人民(広東省♂)7月18日 19:58
笑い過ぎて言葉が出ないww


@名無し人民(広西チワン族自治区♀)7月18日 15:46
途中からインタビュアーがめっちゃやりにくそうにしてるなw


@名無し人民(♀)7月18日 15:09
これがわが国の政治の水準か……。


@名無し人民(広東省♂)7月18日 11:35
彼の名前を毛阿斗にしよう。

※阿斗…三国志の劉備の息子・劉禅のこと。中国ではバカ殿様の代名詞とされる。


@名無し人民(江蘇省♂)7月18日 10:04
蒋介石の孫と比べると……。このガキは病院に行った方がいいな。

※参考:蒋介石の曾孫、蒋友柏氏は1976年生まれの35歳。デザイン会社を起業し、F1・ルノーのロゴデザインを担当するなど活躍するイケメン実業家。

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@名無し人民(北京♂)7月18日 01:44
いや。彼はこの手の敏感な問題については故意に煙に巻いているのではないかと本気で思うのだが。

彼には実権がない。なのに、為政者からなかなか悪くない地位を与えられている。だから過激な意見や敏感な意見を言わないようにしているんだよ。大智は愚の如しという……。

ああいう立場にいれば、演技をせざるを得ないだろう。


@名無し人民(広東省♀)7月17日 19:08
インタビュアーに不動産のことを聞かれたら医療の話、就職の話に話題が代わってから、まだ不動産の話を引っ張る……。ああ、終わってる。

インタビュアーの人もつらかっただろうな。でも、このインタビュアーの質問はなかなか。ごく簡単な数個の質問で、相手のレベルを余さず示してるもんね。


@名無し人民(♂)7月17日 18:41
こいつはアホや。


@名無し人民(北京♂)7月17日 17:10
くそワロタwww
まあ、不動産の問題になんか興味なくて当然だわな。
そんなの心配するような身分じゃないんだし。


@名無し人民(上海♀)7月17日 14:31
この問題とあの問題はだな、うむ、確かに問題だ。いわゆるひとつの問題だね。


@名無し人民(ベトナム在住♀)7月15日 23:13
毛将軍。あなたは社会問題について話しておられるのか、あなた自身に問題があるのかいずれなのでしょうか……。インタビュアーが絶句してるし。


@名無し人民(北京♂)7月15日 19:17
このインタビュアーはよくがんばったと思う。

ネタ将軍としての地位を確実に手に入れた毛少将。「こんなバカなのに少将にまで出世するなんて……」と思う方もいるかもしれないが、その役職は中国人民解放軍軍事科学院戦争理論・戦略研究部副部長、中華全国青年連合会常務委員、全国政治協商会議委員とぱっとしないものばかり。

『僕のおじいちゃんは毛沢東』『おじいちゃんは僕を成長させてくれた』『毛沢東が見た五大帝王』『おじいちゃんのために新しい歌を歌った』『おじいちゃんの足跡をたどって』と先祖本を乱発しているのもヒマだからではないかと疑ってしまう。

本当に優秀な二世(官二代、太子党)ならば、官僚としてばりばり出世するか、強力なコネを生かして実業界で幅を利かすか、はたまた軍の実権を握る高官になっていくかというところだろう。傍目から見ると、「二世=成功は間違いなし」のようにも思えるが、それなりに優秀じゃないとやはり出世はできないらしい。

とはいえ、毛少将は1970年生まれの41歳。2000年に軍事科学院博士課程に入学と同時に軍人になったとのことで、わずか10年で少将位をゲットしたことになる。軍の実権にはありつけなさそうだが、階級だけはがんがん上がり続けるのだろう。

ところで、毛少将は中国人民大学歴史学部の出身。明史を研究していたらしく、『朱元璋研究』という本も発表している。出版は1995年、中央党校を卒業した年だ。百度百科を見ると、これから2000年の軍事科学院入学まで経歴が空白となっているのだが、何をしていたのだろうか。ひょっとして作家の道を目指していたのをあきらめての軍人転向だったりして……。

*ネット掲示板引用部分は「大陸浪人のススメ」管理人・迷路人が担当。解説部分はChinanewsが担当しました。
迷路人版解説は「大陸浪人のススメ」でお読みください。
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