中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月21日
蛟龍号は中国初の有人深海潜水艇。昨年8月、南シナ海で水深3759メートルの潜行に成功。領有権紛争がある南シナ海の海底に五星紅旗を突き立てるという神経逆なでパフォーマンスも話題となった。水深3500メートル以上の有人潜水は、米国、フランス、ロシア、日本に次ぐ世界5番目の快挙だという。
もっとも蛟龍号は水深7000メートルまでの潜水が可能という触れ込み。まだ証明はされていないものの、スペック的には日本の「しんかい6500」を超え、世界最高の性能を有していることになる。今回は4000メートルの潜水に成功。前回から300メートル深く潜ることに成功した。次は5000メートルの大台に向け、試験を繰り返していく方針だ。
中国政府は第12期5カ年計画に海洋経済の振興を盛り込んでいる。海洋経済とは耳慣れない言葉だが、ともかく海と関連する経済活動ならばなんでもいいようだ。中国は、先日原油流出事故が話題となった渤海海底油田など海底資源の採掘にも力を入れている。技術的難度が高い深海でのボーリング、採掘にもチャレンジしているが、有人深海潜水艇の開発も海洋資源を狙う政府方針に沿った動きの一環と見られる。
*画像は新華網の報道。