天津のプール感電死事故及び事件の箝口令についてまとめて欲しいとのリクエストをいただきました。日本語ではサーチナが記事を配信しているものです。
切れた高圧送電線がプールに落下、子供多数が感電死の情報―天津(サーチナ、2011年7月20日)
中国天津市河北区〓(門構えに虫)江路のプールで14日午後、付近の高圧送電線が突風で切れて水中に落下し、泳いでいた児童らが感電死した。児童らが一斉に浮き上る恐ろしい光景だったという。海外の中国語ニュースサイト、博訊網が20日伝えた。
消息筋によると、死者の大部分は夏休みを迎えたばかりの児童と保護者で、数十人に上ると。けが人は「中医第2付属病院」、「第三病院」などに搬送された。現地の政府関係者の間では、かん口令が敷かれているという。(編集担当:中岡秀雄)
DSC01868 / Yu's story......
■消えた「水ギョーザ」描写
サーチナの記事は、20日付博訊網を参照したもの。当初は原文に忠実に
「付近の高圧送電線が 突風で切れて水中に落下し、泳いでいた児童らが感電死した。鍋の中の水ギョウザのように、 児童らが一斉に浮き上がり、恐ろしい光景だったという」
と記述していましたが、今では
「泳いでいた児童らが感電死した。児童らが一斉に浮き上る恐ろしい光景だったという」
と水ギョウザの部分がカットされています。きっと苦情が入ったのでしょうね。
■各紙報道を追ってみよう
さて、中国語メディアの報道ですが、管見では以下のとおり。
20日博訊網(タレコミがソース)
20日RFA(博訊見たよ!電話で聞いてみたけどノーコメントだった!)
21日明報(天津のラジオ局が14日に速報してたらしいぜ)
中国本土のメディアは一社も報道しておらず、箝口令をしかれている可能性は十分にありそう。しかしながら、20日博訊網の報道は匿名希望の関係者の証言のみ。
(博訊網は北米に拠点を置くニュースサイトですが、大陸在住者のタレコミに基づく記事が大半を占めています)これだけだと怪しいという感じでしたが、香港紙・明報によると、14日に天津津海ラジオ局が臨時ニュースで「少なくとも3人が死亡、14歳の少年1人が重傷で運ばれた」と流していたことを明かしています。その後に報道管制がしかれたもよう。明報はネット掲示板で犠牲者の遺族を名乗る女性とのコンタクトに成功。政府から口止めされているとのコメントを引き出しています。
博訊網の初報にあった「最低でも数十人は死亡」「水ギョーザのように児童が浮き上がった」というのは誇大表現だとしても、明報の報道によって事件自体は存在した可能性が高そうということまでは言えるのではないでしょうか。
■箝口令がしかれた理由
気になるのはなぜ箝口令がしかれたのかということ。政府が独裁権力を握る中国では人死にのニュースぐらい簡単にもみ消せる……ということはなく、人が死んだというのは相当な重みがある話。農村ではなく、大都市・天津での事故となればなおさらです。しかも警官が打ち殺したとかではなく、強風で電信柱が倒れたということならば、政府の落ち度ではないので箝口令がしかれるというのは考えづらいように思います。
と、ここでも明報が腑に落ちる説明を提示してくれていまして。「今、上海で世界水泳をやっているから!」(7月16日~31日)とのこと。なるほど、国家の威信を賭けたスポーツ大会を汚すようなニュースを流してはいけないということですね。個人的にはこの説明でなるほどと思ったのですが、いかがでしょうか?
上海の世界水泳は思いもつかなかったですw
これからも頑張って下さい
お礼のコメント遅れて済みませんm(- -;)m