中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月23日
■国策映画のために道を開けたトランスフォーマー
6月1日付記事「国策映画「建党偉業」が絶対に100億円稼ぐ、トンデモない理由」でも取り上げたが、「中国共産党創設の物語を描く国策映画「建党偉業」の興行収入を妨げないため」と噂されている。発端となったのは関係者の軽口。「興行収入100億円を超えるまでは『トランスフォーマー3』など輸入映画の上映が許可されないから(ゲラゲラ」とギャグを飛ばしたところ、「あー、それ、ありうる」「間違いない」「トランスフォーマー見たければ、まずは建党偉業を見るしかないな……」とみなが一気にブルーになったというお話だ。
さて、その「建党偉業」だが、6月15日に公開。6月だけで3億元(約37万5000万円)の興行収入を記録したが、「カンフー・パンダ2」の後塵を喫した。週間ランキングではすでにトップから陥落しており、8億元(約100億円)は厳しい状況にある。
■ネバー・ギブアップ!興収100億円を目指す関係者各位の涙ぐましい努力
もっとも建党偉業の興収100億円を目指して、関係者各位は涙ぐましい努力を続けているようだ。2011年7月20日、南京市では「定年者対象!10万人の皆様にタダで建党偉業を見せちゃいます」キャンペーンを敢行(人民網)。異例のプッシュを展開している。なお、Google中国で「建党偉業 無料」とかでググると、似たようなネタはざっくざっくとでてくる。
映画館の皆様も本来ならば、もっともうかる映画にスクリーンをあけわたしたいところをグッとこらえて、公開規模を維持。それどころか、こんなネタも。
*@AlexWangYangさんのツイートより。
本サイト寄稿者でもあるAlexさんが紹介したものだが、「建党偉業」のチケットを発券した後、手書きで「武侠」という別の映画のチケットに書き換えたというもの。システム上は「建党偉業」の動員になるということだろうか。ここまで必死だと各映画館にノルマでもあるのではないかと疑ってしまう。
■「恐怖!チケットのセット売り」
さらにこんなネタもある。「恐怖!チケットのセット売り」というお話。
*網易の報道。
写真に出ているチケットは「建党偉業」のものではなく、「楊善洲」という別の中国国産映画のもの。チケットは2本セットじゃなきゃ買えず、トランスフォーマーは20元(約250円)、「楊善洲」は80元(約1000円)という設定。「嘘をつけっ」と全力でツッコミたくなるが、国産映画の振興も大事ですよね~。なお「ハリー・ポッター」も「藍精霊」という映画とセット売りされていたというタレコミもある。
「楊善洲」「藍精霊」でまでこんなことをしているのならば、「建党偉業」でも絶対やっているんじゃね、とは誰もが思うところ。いや、ひょっとして、「トランスフォーマー」「建党偉業」「建党偉業」の3枚セットなんていうのもあるんじゃないだろうか……。
参考サイト:青年参考 虎撲論壇
確か、中国では8月の公開だったかと。