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高速鉄道の追突・転落事故で32人死亡=制御システムのトラブルか―中国

2011年07月24日

2011年7月23日、浙江省温州市付近で列車の衝突、脱線事故が発生。32人が死亡する惨事となった。現在もなお救助作業が続いている。
中国で高速鉄道が追突事故、少なくとも32人死亡(ロイター、2011年7月24日)

中国浙江省で23日、高速鉄道の列車が停車中の別の列車に追突する事故が発生し、これまで少なくとも32人の死亡が確認された。新華社などが伝えた。

事故は温州市近くの橋の上で発生。落雷による停電で線路上に止まっていた列車に後続の高速鉄道列車が追突し複数の車両が脱線、1─2両が高架から落下したという。新華社によると、200人以上が病院に搬送された。

落雷で停止していたのは、浙江省杭州発・福建省福州南行きの列車で、追突したのは北京南発・福州行きの列車。国営テレビは、車両内に閉じ込められた乗客の救出作業の妨げにならないよう、付近住民らに事故現場に近づかないよう呼び掛けている。
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中国新聞網の報道。



■いろいろ整理

簡単にまとめると、

杭州発福州行きのD3115(車種は川崎重工技術提供のCRH2)が雷で停車。そこに北京発福州行きのD301(車種はボンバルディア技術提供のCHR1)が衝突したというもの。

「で、これはなに?中国版新幹線の事故なの?」という反応も多いようなので、こちらも簡単にまとめます。

・「狭義の高速鉄道」:専用線が用意された時速300キロ路線。北京・天津間、武漢・広州間、北京・上海間など。G151など頭に高鉄(Gaotie)のGがつく。

・「広義の高速鉄道」:2007年から登場した在来線を走る路線。最高時速は路線ごとでばらばら。動車組(Dongchezu)の頭文字Dがつく。

・中国版新幹線:日本メディアの造語なので、意味は各社ばらばら。「広義の高速鉄道」を指す場合が多いが、「北京・上海間高速鉄道」だけを指す場合もある。

■事故の原因


脱線、運行システムトラブルか 日本技術は車両のみ(朝日新聞、2011年7月24日)

日本の新幹線の技術に詳しいJR関係者によると、中国の高速鉄道で日本の技術が採用されているのは車両だけで、信号などの運行システムは中国独自のものが使われているという。

この関係者は「パンタグラフの損傷など車両自体の問題でなければ、運行システムの不具合の可能性がある。衝突であったとすれば、車両ではなく運行システム上のトラブルとしか考えられない」と指摘する。
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*事故の相関図。捜狐新聞の報道。


追突事故ならば、運行制御システムのトラブルが最も怪しい、というか、他の理由が見つからないというのは納得できる話。

中国メディアでも新京報が「なぜ制御システムが働かなかったのか?」という疑問を発しています。またダイヤ通りならば、衝突したD301が先行していたはずですが、実際は逆となっていました。ダイヤが乱れていた可能性を示唆しています。雷で列車が止まるぐらいですから、天候不順でダイヤが混乱するのも当然。その変更にシステムが対応し切れてなかったという可能性もありそうですが……。

とりあえず初報はここまで。今後の報道を報道をチェックしたいと思います。

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捜狐新聞の報道。



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