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2011年07月27日
前日の25日にも電力供給の不具合により複数の列車が停車しており、連日の不具合発生となった。乗客によると、臨時停車していた間に追い越していった列車があったとのことで、給電設備ではなく、車両側に問題があったのではと話している。
故障のために停車したはずが、「乗客の猛烈な抗議」で再び動かしたというのが一番問題のように思うのだが、北京晨報的にはあまり気にならなかったようだ。追突事故を起こしたのは動車組(在来線を走る高速列車)だが、6月30日に開通した北京・上海間高速鉄道の停電トラブルもいまだに続いている。
車両側の原因を特定できないのか、それとも各地の配電設備に次々とトラブルがみつかっているのか、はたまたおそるおそる運転中、不具合があったらとりあえず点検という「安全第一」を貫いているのか、公式発表からはよくわからないが、とりあえず現時点では飛行機以上に不安定な交通機関というイメージがついてしまった。
高速鉄道との競争に備え大幅に値引きされていた航空チケットの価格も急回復していると報じられており、開業一か月を待たずして「北京・上海間高速鉄道離れ」は進んでいるようだ。短距離、中距離の高速鉄道はライバルがいない独占状態だが、北京・上海間は時間的にも価格的にも航空便と競合する区間。出だしの失態で失った信用は高くつきそうだ。