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養殖ホタテ貝の大量死、海底油田漏出事故が原因か―河北省

2011年07月27日

2011年6月に起きた渤海海底油田、漏出事故をみなさんは覚えているだろうか。中国共産党建党90周年にまつわるあれやこれや、北京・上海間高速鉄道の停電事故連発、そして温州での高速鉄道追突・脱線事故と大きなニュースが続いたため、私はすっかり忘れていた。

中国国家海洋局の記者会見が7月5日のこと、思えばまだ1カ月もたっていないのだ。大ニュースの連発にすっかり影に隠れた感のある漏出問題だが、それをいいことにしてか、漁民への賠償や被害の認定などの作業は進んでいない。決定している処罰は海洋環境保護法違反による罰金20万元(約250万円)だけ。被害に比べてあまりにも少なすぎる金額だ。2011年7月27日付羊城晩報を参照した。

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*画像は羊城晩報の報道。油汚れが目立つ河北省唐山市楽亭県の海岸。


■ネット掲示板で汚染を暴露


ネット掲示板では先日から楽亭県の海岸が渤海海底油田漏出事故により汚染されたとの暴露が続いている。砂浜がむごたらしく汚れたばかりか、漁業にも深刻な影響が出ているという。

楽亭県漁業協会によると、事故の原油は確かに同地にまで到達しているという。6月20日前後から養殖の貝の大量死などが確認されている。ホタテ貝の稚貝にいたっては70%が死んでしまった。損失額は3億5000万元(約43億8000万円)に達するという。


■2006年にも大量死、石油泥棒が原因だった

楽亭県水産養殖協会の楊基珍会長によると、2006年にもホタテの稚貝大量死があったという。海底パイプラインから原油を盗む泥棒のせいで穴があいたパイプラインから油が数カ月にわたって漏れ続けたのが原因だった。養殖業の再生には2年もの歳月が必要だった。

楽亭県環境保護局、海洋局、水産センターは7月4日に専門調査グループを立ち上げ。死亡した稚貝を保存し、死因について調査している。また養殖業者らは県当局とは別に渤海油田を運営する中国海洋石油(CNOOC)と米石油大手コノコフィリップス相手に賠償訴訟を起こす方針だ。

ただし業界関係者は勝利する可能性は低いと見ている。中国科学院に所属する海洋環境保護の専門家は、匿名を条件にこう話している。原油による汚染とホタテ貝の大量死が必然的な関係にあると証明することはきわめて困難なのです、と。


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