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道を間違えた地下鉄=大胆すぎるオペレーションがもたらしたありえないトラブル―上海市

2011年07月30日

2011年7月28日、上海市の地下鉄10号線で、列車が行き先を間違えるというとんでもない事故が起きた。事故原因もなんとも不思議なもの。「ラッシュアワー中にもかかわらず列車制御システムのアップグレードをしていたらトラブった」のだという。29日、中国新聞網が伝えた。

28日午後7時6分、帰宅ラッシュでごった返す地下鉄10号線でその事故は起きた。地下鉄10号線は龍渓路から西に進むと、航中路行きと虹橋駅行きとに分かれている(路線図)。問題の列車は本来ならば航中路に向かうはずだったが、虹橋駅に向かって進んでしまった。


地铁里 / in the metro station / livepine


事故の原因は運行中に列車制御システム(CBTC)のアップグレードをかけるという大胆な運用を行ったためだという。CBTCとはデジタル無線回線などを通じて列車と指令センターをリンクし制御する技術。そのシステムをアップグレードしている最中にデータが送れなくなるというトラブルが発生してしまった。

ラッシュアワー時にシステムをアップデートするわ、トラブルが起きても運行が続いているわ、と「高速鉄道追突事故の教訓はどこに?!」と驚かされる事態となった。「真夜中にテストとかしたら寝られないだろ!」という従業員に優しいオペレーションだったのかもしれないが。結局、問題の列車にはその前に発車していた列車用のデータが送られ、異なる行き先を指示されてしまった。

幸いにも衝突事故に発展することはなく、乗客が次の駅で乗り換えて戻ってこなければいけないという被害だけで済んだ。とはいえ、このあまりにも大胆すぎる運用が続くようならば、大事故につながりかねないだろう。

ちなみに一部日本語メディアでは「逆走」と報じられているが、これは誤り。第一報となったマイクロブログの書き込みをそのまま採用してしまったものと思われる。


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