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2011年07月30日
事故の原因は運行中に列車制御システム(CBTC)のアップグレードをかけるという大胆な運用を行ったためだという。CBTCとはデジタル無線回線などを通じて列車と指令センターをリンクし制御する技術。そのシステムをアップグレードしている最中にデータが送れなくなるというトラブルが発生してしまった。
ラッシュアワー時にシステムをアップデートするわ、トラブルが起きても運行が続いているわ、と「高速鉄道追突事故の教訓はどこに?!」と驚かされる事態となった。「真夜中にテストとかしたら寝られないだろ!」という従業員に優しいオペレーションだったのかもしれないが。結局、問題の列車にはその前に発車していた列車用のデータが送られ、異なる行き先を指示されてしまった。
幸いにも衝突事故に発展することはなく、乗客が次の駅で乗り換えて戻ってこなければいけないという被害だけで済んだ。とはいえ、このあまりにも大胆すぎる運用が続くようならば、大事故につながりかねないだろう。
ちなみに一部日本語メディアでは「逆走」と報じられているが、これは誤り。第一報となったマイクロブログの書き込みをそのまま採用してしまったものと思われる。