中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月30日
■才色兼備の私たち、就職は超余裕でした
卒業生の一人、田瓊霞さんは武漢市の大手不動産管理企業への就職が決まっている。中国の大学生といえば、なかなか仕事が見つからないことが悩みだが、淑女
クラスは引く手あまた。田さんも卒業数カ月前に楽々と内定を決めたという。同級生も一発で大手企業の内定をとったケースが少なくない。
「淑女クラスの卒業生が、才色兼備で上品なところが企業に気に入られたのではないでしょうか」「国学(中国の伝統的学問)も、そして家事一般も学びました。専門的なマナーの授業があります。同じ条件でしたら、応対や教養という面で、他の専門の方よりも有利だと思います」と自信満々に話す田さん。自分で才色兼備(原文は「秀外慧中」)というのは果たして上品なのだろうかと問い詰めたいところだが……。
■「お嬢様」の復活
中国と言えば、「男女平等先進国」を自負する国。初めて中国に行った時は、バスやタクシーの運転手にも女性が多く、驚いたことを覚えている。もちろん昇進の格差や家事負担など、性別格差は残っている。
いや、格差が残っているというか、むしろ拡大しつつあるのではないかというのが最近感じるところではある。その象徴とも言えるのが、「お嬢様」の復活。記事「中国初の「お嬢様学校」が誕生=クラシックバレエ、家政学もカリキュラムに―中国」「「女子大生ホステスにならないように小学校から教育しようぜ」放言の裏側に見える中国社会の変化」で紹介したことがあるが、おしとやかで伝統的な女性領域にとどまる女性を育てようという機運が高まっている。
以前、「日本は専業主婦があっていいよね。中国は貧しいから共働きじゃないとやっていけないよ」と言われて驚いたことがある。高所得の新中間層に専業主婦の道を選ぶ人が増えているという報道もあったが、経済的条件さえ整えば仕事を辞めたいと考える人も一定数いるようだ。
改革開放を経て、中国には超大金持ちが大量に出現した。ときおり貴族となぞらえられることもあるだけに、中国の富裕層が「うちの娘はお姫様みたいにしたい」「息子の嫁にはおしとやかなお嬢様を」と考えるのも、そう不思議なことではないのかもしれない。
*画像は網易の報道。ほか写真多数。