ケンタの豆乳って原価0.7元だろ。ボッタクリってレベルじゃねーぞ。ケンタッキー、「豆乳粉」で豆乳を販売(人民網日本語版、7月29日)味千ラーメンの濃縮還元トンコツスープ報道の間を置かず、またもや中国の外資イジメがはじまりました。今回のターゲットは中国人が大好きなケンタッキーフライドチキン、いわゆるKFCです。
ニュースによると、事の発端はマイクロブログユーザーのつぶやき。KFCの店外で豆乳粉と書かれたダンボールが積まれているのを見たユーザーが、怒りに満ちたコメントを現場の写真つきでつぶやきました。
*綜合の報道。*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。
KFCに騙された。豆乳って粉末のだったんだ…それに全然知らないメーカーのだし
上当!KFC豆浆全是粉冲的还是不知名的牌子(綜合、2011年7月27日)
この発言が発端となり、とある掲示板サイトではケンタッキーの豆乳を今後飲まないように皆に呼びかける不買運動に発展。
そして、あるメディアがマイクロブログにアップされた写真をもとに、段ボール箱に記載された無名の豆乳メーカーの名前を
ネットショッピングサイト「淘宝」で探し出すことに成功。その豆乳粉末1袋480gの価格がたった
15元(約180円)という安価だったことが火に油を注ぐことになり、KFCは味千ラーメンの二の舞を演じさせられてしまいました。
肯德基“醇豆浆”是豆浆粉泡?确有多个原料厂家供货给百胜(浙江在線、2011年7月29日)
■原価厨大暴れ豆乳1杯の原価は0,7元(約8円)なのに、KFCの店頭ではホット豆乳が5,5元(約66円)、アイス豆乳が6,5元(約78円)という高値で売られていることと、普通の店で1元(約12円)や2元(約24円)で売られている豆乳すら大豆を煮て作られているという事実に中国の原価厨が大激怒。
何より、
(確かに一度も店頭で作り立てとは宣伝されていないけど)インスタントの豆乳粉末を使って外国企業が中国人を騙していたことに、原価厨がただいま発狂しているわけです。
■高い=栄養がある?味千ラーメンのときもそうですけど、ネットユーザーの怒りの根源にはどうやら
『高価な物は良い』という盲目的な信仰がありそうです。
でもよく考えてくださいよ、と。たかだかファーストフードのチェーン店が客の健康にいちいち気遣ってるわけないだろう、と。客の方だってハンバーガーとかフライドチキンを食べるときに栄養価やカロリーを特に気にしてないわけだし。気にしないからこそご一緒にポテトとコーラなんですよ。
そして『高価=高品質』って式はそもそも前提が成り立っていません。KFCのセットメニューは25元(約299円)程度で決して安い値段ではありませんが、手が出せないほどの価格でもありません。だからこそKFCやマックなどは中国での業績を着実に伸ばし全国各地に出店を展開できているのです。
第一、20元(約240円)程度出して本物のラーメンやハンバーガーとかを食った気になっているのがおこがましいです。
■勝手に信じて勝手に被害者ぶる
KFC豆乳騒動は、その豆乳粉に違法添加物が入っていないか絶対調査すべきだ。という八つ当たりのような段階にきています。確かにもしも違法添加物が入っていた場合、KFCへの非難は避けられないでしょう。企業として責任を取らなければなりません。
度重なる食品問題に中国人が食に関して非常にデリケートになっていて、食品業界もそれに対応せざるを得ない。この現象は歓迎すべきことです。一人ひとりが自分の食べている食品に興味を持つことが企業への抑止力になると思いますので。
ですがここまで事態が発展した背景には、KFC側の非を何としてでも見つけてやろうとする中国側の執念を感じずにはいられません。味千ラーメンとKFCの一件で、中国人が外資企業に抱いている感情が浮き出てきましたね。それは、外資が嫌いなのに外資を信頼しているという矛盾した感情。これを一言で表せる言葉があります。『嫉妬』です。
■もうホラーだよ中国が自分たちでKFCやマック等のブランドを作らない限り、こういう問題ってのは起こり続けるんじゃないんでしょうか。さて、次のターゲットは…これまた中国人が大好きなスターバックスコーヒーでしょうか。
スタバのミルクって牛乳じゃねぇんだって!詐欺だ!!とかね。
*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。
■補足(Chinanews)
騒ぎを受け、ケンタッキーは粉末の利用を認めたが、「粉末は大豆をすりつぶしたものであり、運輸過程で冷蔵の必要が
ない、微生物汚染に強いなどハンドリングに適していることから使用している」「ご提供している豆乳が“フレッシュ”のものだとは一言も
宣伝していない」と反論している(
29日付レコードチャイナ)。
ケンタッキーにとって災難だったのは、中国人の「原価厨」心理に火を着けてしまったこと。ちなみに記事冒頭で触れられている味千ラーメンも「あんなに高いラーメンなのに、スープの原価はたったこれだけかよ!」という怒りが背景にある。
中国では「暴利を貪る悪い商人」への警戒心が強い。広告でも「仲介業者はさまず」という宣伝文句が多用されるが、間に入った仲介業者がリベートを抜いて損をすることへの警戒心が高いためだ。裏返せば、それだけ詐欺的価格が横行しているためとも言えよう。ファーストフードのドリンクといえば粗利がきわめて高いのが通常。豆乳だけではなく、炭酸飲料の原価などが流れても大騒ぎになりそうだ。
基本、中国人がまだファーストフードに慣れないから、「嫉妬」とはちょっと違うと思いますが。。。