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難聴女性と弱視女性が繰り広げる恋のロード・ムービー『ザット・サウンズ・グッド』―タイ映画評

2011年07月31日

『ザット・サウンズ・グッド / That Sounds Good』

ドキュメンタリー風の恋のロード・ムービー。主人公の女性二人が難聴者と弱視者であるというのがみそで、この設定が作品をおもしろいものにしている。とくに、弱視者のター<เต๋อ>を演じているラミター・マハープルックポンがとても愉快だ。コメディエンヌとしてはかなりいけると思う。それなりにかわいいし、表情がおもしろい。

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この人、どこかで見たことあると思ったら、「32 デッセンバー・ラブ・エラー(32 December Love Error)」<2009年>(これがデビュー作)に出ていた人だ。本作が二本目の映画となる。1989年生まれなので、映画撮影時20か21歳の若さである。今後が大いに期待できる。

*当記事はブログ「タイ映画つれづれなるままに」の許可を得て転載したものです。


作品は、四輪駆動車を繰り出しコンボイを組んでタイからラオス、ベトナムへと旅する間に起こる恋の珍騒動を描いたもの。難聴者と弱視者(Rattanrat Eertaweekul)であるがゆえに、同じ男性(Montonn Jira)が自分のことを好きだと勘違いしてしまうことから物語が始まる。

旅はサワンナケート→ホーチミン→フエ→ホイアン→ダラット→ムイネーと続く。最後は雪山まで行くのだが、もしかして中国か?ムイネーでの車でのキャンプ風景などはいいものがあるのだが、ベトナムの楽しさを描ききれているかというとやや不足している。もう少しベトナムらしさをどこかで出して欲しかった。

そして、何よりもストーリーの最後の着地に成功していない。途中までおもしろかったのに残念だ。もうひと工夫欲しかった。しかし、ラミター・マハープルックポンのアラレちゃんのようなコメディエンヌぶりだけでも十分に楽しい。

2010年度のスパナホン賞主題歌賞を「ラオ・ソーンサーム・コン」が獲得している。キットティコーン・リアオシリクーン監督は、他に「ブリット・ワイブズ(The Bullet Wives)」<2005年>、「バスレーン(Buslane)」<2007年>などの作品がある。原題は訳し方がよく分からないのだが、「私たち2、3人(ニサンニン)」となるのか?英題は「いいんじゃない」という意味。



映画詳細データはこちらへ→「タイ映画ライブラリー

*当記事はブログ「タイ映画つれづれなるままに」の許可を得て転載したものです。


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