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2011年08月03日
■「最も美しい看護士」の正体
現場にいたネット民が救出の過程から老人が救急車に乗せられるまでの一部始終を、写真とともにネット掲示板に書き込んだ。そのタイトルは「これぞ酉陽で最も美しい女性」。書き込みは複数のネット掲示板に転載され、注目を集めた。
女性は救急車が到着した後、名前を告げることなく姿を消していた。その正体についてネット掲示板ではさまざまな推測が飛び交っていたが、現地メディアの取材により、酉陽県人民医院に勤める看護師・余書華さんであることが明らかになった。電話取材に答えた余さんは、「あの時は大変危険な状況でした。同じ立場にいれば、多くの人が同じ事をしたでしょう。私は応急処置を学んだ看護士です。やるべきことをやっただけです」と答えている。
なお救助された老人は残念ながら病院で死亡した。
■量産される「最も美しい~」シリーズ
この「最も美しい~~」(中国語では「最美~~」)はシリーズ化している。最近ではマンション10階から落ちてきた赤ちゃんをキャッチした「最も美しいママ」が話題になった(レコードチャイナ)。今年2月には大金が入ったバッグを落とし主に返し謝礼も受け取らなかった「最も美しい路線バス運転手」という話も(中国吉林網、中国語)。
顔や姿ではなく、行動や精神が美しいという意味で「最も美しい~~」と名付けられているのだと思うが、男性ならば「最も美しい」「最もイケメン」は使われず、たんに「最もすごい」「最も勇敢」とかのキャッチコピーになるのは、なんだかなと思わないでもない。
中国ネット掲示板のホットトピックといえば、やはりマイナスの話題のほうが多いと感じるが、一方でこの手の心温まる話の需要も高い。確かに、たまにはいい話も読みたいと思うのもまた人情だろう。