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殺人を産業とする貧困県=知的障害者を使った炭鉱殺人詐欺が続発―四川省

2011年08月03日

2011年7月26日、四川省涼山イ族自治州雷波県の蒋若楓・共産党県委員会書記は、同県出身者による知的障害者殺人詐欺事件が絶えないことを謝罪した。8月3日、財経網が伝えた。

知的障害者を炭鉱に送り込み労働者として働かせ、事故死させる。その後、炭鉱側から多額の慰謝料をせしめる。2007年からこうした詐欺事件が発生しはじめ、2009年、2010年に発生件数はピークを迎えた。2011年は件数は減ったというものの、いまだに撲滅するにはいたっていない。これまでに26件もの事件が確認されている。


Mouth Of Coal Mine In Mountain Ridge West Of Ta Chu, China MAR [1909] Thomas C. Chamberlin [RESTORED] / ralphrepo


■殺人を産業とする貧困県

驚くべきは、知的障害者を使った炭鉱詐欺事件は、ほとんどすべてが雷波県出身者によって行われている。この事実は広く知られるところだ。7月27日付新華網によると、雷波県政府は2009年から3度にわたり農村地区の「無秩序流動人口」調査を実施。300人近い人々を摘発した。うち一部が知的障害者だったことが明らかになっている。その多くが省外から集められた人だった。

関係者によると、知的障害者を使った炭鉱殺人詐欺は完全に産業化しており、県内では分業構造も作られている。関係者の「仕事」は大きく3つに大別することができる。すなわち、各地から知的障害者を連れてくる役割、炭鉱で働けるよう訓練する役割、そして最後に炭鉱で働かせ、殺害し、慰謝料をだまし取る実行犯だ。


■金のためなら危険を冒してもいい

なぜ雷波県は殺人を産業とするようになってしまったのか。蒋書記は詐欺事件が相次ぐ理由として、次の3点をあげている。

(1)雷波県は貧困地域で金のために危険を顧みない者が多い。
(2)詐欺のターゲットとなる鉱山は正規の手続きを踏んで労働者を募集していないことが多い、いわばすねに傷持つ身。警察に相談しづらく、金をだまし取りやすい。
(3)炭鉱主は死亡事故発生後、どうにかして事件を隠そうとする。そのため戸籍簿だけ持って賠償金をせびりにきた犯罪集団にも簡単に金を支払ってしまう

また、現行刑法は子どもをかどわかした場合には罰則が定められているが、知的障害者を含む成人男性をかどわかし、人身売買した場合に対応する法律がないことも問題だと話している。


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