2011年8月4日、中国中央電視台(CCTV)の人気報道番組「新聞1+1」は、「歴史で『商売』することなかれ」と題した特集を放送した。特集では満州開拓団記念碑問題と並んで、安徽省黄山市黄山区譚家橋鎮の「
鬼子が村にやってきたショー」問題を取り上げている。
満州開拓団記念碑問題については、記事「
反日団体関係者、日本人死者の記念碑を「破壊」=マイクロブログが見せた日本への敵意」で説明したとおり。日本を嫌っているという以上に、外国に媚び、国辱の歴史をも商売のタネにしようとしている地方政府への反感が炎上の背景にある。黄山市の問題も同じことが言えるだろう。
*画像は中国新聞網の報道。「鬼子が村にやってきたショー」の宣伝用資料写真。
■「鬼子が村にやってきたショー」とはなにか?
3日付中国新聞網によると、黄山市黄山区譚家橋鎮は観光客向けに新たな旅行イベントを開発した。それが「鬼子が村にやってきたショー」だ。
日本兵のコスプレをした観光客が、三八式歩兵銃を片手に村を襲撃。若い女性を拉致する……
という体験を楽しめる観光プログラムだという。写真を見ると、みな笑顔で楽しんでいる様子がうかがえる。このネタを暴露したマイクロブログは、「これが旅行プログラムとしてふさわしいものでしょうか?」と疑問を投げかけているという。
*画像は南方都市報の報道。「鬼子が村にやってきたショー」の宣伝用資料写真。メディアの取材に答えた譚家橋鎮旅行部局関係者は、「若者向けの革命教育プログラムとして開発した」と説明。ショーを見るだけではなく、観光客が参加し、自分の役割を演じられるのが特徴だという。ちなみに日本軍が女性を拉致した後、八路軍によって救出されるまでがショーだという。
最高のイベントになったと自負していたが、ネットで宣伝したところ即効で炎上。すでに宣伝用サイトを閉鎖し、イベント自体をとりやめたと話している。
■批判の源泉
上述したとおり、「新聞1+1」の特集名は「歴史で『商売』することなかれ」。このタイトルが満州開拓団記念碑問題と「鬼子が村にやってきたショー」にどのような批判が向けられているかを示している。しかし、マイクロブログやネット掲示板を眺めていると、批判感情はもっと複雑なようだ。
「国辱の歴史をショーにするなんて」「軍人になって女の子を襲うショーなんてあさましい」「金のためならなんでもする拝金主義だ」などなど。「政府はばかだ、間違えている」という批判だと大枠ではくくれるかもしれないが、各人微妙に異なる感情が背景にあるように感じている。
これは結構面白いWWW。