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味千ラーメン問題は業界全体に波及か=スープ無料配布でおいしさをアピール―北京文芸日記

2011年08月07日

■豚骨スープを配る店員

所用で北京市国貿地区の建外SOHOに行ったところ、無敵家の前で店員が「紙コップに入れた何か」を配っている場面に遭遇しました。無敵家とは、横浜の家系ラーメンで経験を積んだ日本人が北京に開いた日系のラーメン屋です。(ちゃいなび・無敵家1号店ちゃいなび・無敵家2号店

「冷たいお茶でも配っているのかな」とトレイを覗いてみると、コップの中には焼き色の付いた乳白色の液体が。そうです。豚骨スープを配っていたんです。無敵家が北京に第1号店をオープンしてからちょうど2年になりますが、こんなイベントは初めてのはずです。

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*当記事は
ブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。


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■味千問題の煽りを受ける日系ラーメン屋

味千ラーメンの濃縮還元スープの使用が発覚して、日系ラーメン屋業界全体への風当たりが強くなったための取り組みなんでしょうか。
(関連記事:「「日本企業を信頼していたのに裏切られた」大げさすぎる味千ラーメン・バッシングを読む―北京文芸日記」KINBRICKS NOW、2011年7月27日)

無敵家は店内で大きな寸胴に豚骨スープを煮ているのがウリです。長時間煮込んでいるおかげで厨房付近がめちゃくちゃ熱くて臭いのですが……。まあ山岡家ほどではありませんけどね。「日本と同じラーメン屋」を目指している無敵家が、完全に現地化した味千ラーメンと同一視されるのは正直歯痒いのでしょう。


■日本の味を再現する難しさ


ボクは店の前を3回ほど往復したのですが、結局、試供品をもらうことはできませんでした。仕方なくお金を払って味わうことにしました。久々に食べた無敵家の黄金ラーメン28元(約341円、店内で一番安いラーメン)ですが、豚骨スープは濃くて美味いのですが、若干臭みがありました。

この臭さは個人によって好き嫌いが分かれるかもしれません。しかしこの豚骨独特の臭みが邪魔してか、せっかくの濃厚豚骨スープを薄く感じてしまいました。考えてみれば、日本と同じスタイルをとったとしても、トンコツや野菜の種類、そして水の味まで違う異国で、日本と同じ味を再現するのは至難の業でしょう。

思い通りの味が出せないのならば、味に妥協しても、原価を削って濃縮還元スープや粉末調味料に頼るのもアリなのかもしれません。そういうことを考えながらボクは友人とラーメンをすすりました。この臭みがホンモノの証拠であると信じながら。

*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。


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