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中国を席巻する恋愛資本主義=バレンタインデーと化した「七夕」

2011年08月06日

2011年8月6日、今日は旧暦の7月7日。中国では七夕が祝われている。

中国では七夕とも書くが、「乞巧節」「双七節」など複数の呼び方もある。過ごし方もバリエーションが多い。人民日報日本語版が「中国各地の七夕の風習」という記事を掲載しているが、本当にこれは同じお祭りなのかというほどの多彩さだ。また七夕特有の食べ物として、「巧果」という小麦粉を揚げたお菓子もある。

とはいえ、こうした伝統の風習は、今の中国、とりわけ都市部ではあまり関係のないものとなっている。七夕は「中国伝統のバレンタインデー」であり、恋愛資本主義に呪縛された恋人たちのお祭りとなっている。

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*七夕入籍の為、婚姻登記所に出来た行列。中国広播網の報道。


中国における「恋人の日」の過ごし方については、「【資本主義の毒】暴動寸前の盛り上がり?!中国的クリスマスの過ごし方」「中国バレンタイン最前線=七色バラに罵倒チャット、不思議なネタがいっぱい!」で紹介したとおり。正直、バレンタインデー、クリスマスと過ごし方があんまり変わらないのに、そこに七夕が増えても代わりばえがしないように思う。高額のデート代が必要な日が1日増えただけという感がある。

2011年8月6日付新華網は「中国のロマンチックな伝統的祝日・七夕=『バレンタインデー』への転換が議論を呼ぶ」は、恋愛資本主義に毒された祝日に対する苦言を紹介しているが、個人的には「何をいまさら」という思いだ。

というのも、数年前までは「バレンタインデーなど祝うな。中国には独自のバレンタインデーとも言える七夕があるではないか」と大宣伝が展開されていたからだ。見事にキャンペーンが実って、七夕はアナザー・バレンタインデーとしての地位を手に入れた。誤算だったのは、欧米式バレンタインデーも残ったままで、かつ、七夕から中国独自の風習が失われたということだろうか。

まあ、内需振興が課題の中国経済にとっては、若人がお金をばんばん使う日が増えるのは、そう悪いことではないのかもしれないが……。


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