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化学薬品工場の防波堤が破損、あわや劇薬流出の危機=取材の記者、警官を従業員が暴行―遼寧省

2011年08月09日

2011年8月8日朝、台風9号の影響により遼寧省大連市を大波が襲った。化学薬品工場・大連福佳大化では防波堤2ブロックが破損。海水が化学薬品タンク近くにまで流れ込む事態となった。

同工場では劇薬のパラキシレンを製造しているが、市街地までの距離はわずか20キロ。世界的には都市から100キロ離れた以上に工場を建設するべきとされている(斉魯晩報)。もし大波でタンクが壊れるようなことがあれば大惨事は免れなかった。

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*画像は雲南信息報の報道。台風9号による大波。


台風の影響は収まり、また防波堤の破損個所は応急処置が進んでいることで当面の危機は去ったが、改めて大連パラキシレン工場の危険性がクローズアップされる事態となった。9日付南方週末は、2010年7月と10月、2回にわたる大連石油パイプライン爆発事故に続き、今回もパラキシレン流出という最悪の事態にはいたらなかったと指摘しつつも、同工場が大連660万市民の「ダモクレスの剣」になったと評している。いつ、どんな形式で落ちてくるのかわからない恐怖だ、と。


■記者、政府関係者をタコ殴りに

パラキシレン流出危機と並んで注目されているのが、大連福佳大化の取材拒否。8日正午、メディアと警察の報道部局が現地に到着したが、カメラを構えるや否やあっという間に人に囲まれた。カメラも車も壊されてしまったという。

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*画像はCCTVの報道。従業員ともみあう記者。

さらに8日午後4時半、中国中央電視台(CCTV)記者及び大連市政府職員が工場内に入ると、再び同工場の職員数十人に行く手をさえぎられた。取材を申し込んだが、受け入れられるどころか、カメラを奪われ大勢に殴られる事態へと発展した(財訊)。

警察、CCTV、大連市政府を相手に大立ち回りするという「強気」な姿勢が、大連福佳大化の会社としての方針なのか、それとも現場従業員の怒りなのかは現時点では不明だが……。


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