中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年08月10日
男の人生が狂ったのは、あるウェブサイトにであったことだった。それは盗撮マニアの交流ウェブサイト。600人程度と少ない会員の中で、盗撮画像を交換、閲覧するサービスだ。男は300元(約3600円)を支払いVIP会員として入会。最初はたんなる閲覧目的だったのかも知れないが、他の会員たちと交流するうちに自分も盗撮したいという気持ちが芽生えてきた。
さて、最近、「ゲーミフィケーション」という言葉を目にする機会が増えた。レベルアップやスコア表示などのゲームのメカニズムを一般のウェブサービスにも導入しようというものだ。実は中国はゲーミフィケーションの先進国である。ネット掲示板をはじめとする各種ウェブサービスでは、人に認められる活動をすればするほどポイントをためたり、称号がアップする仕組みが備えられている。
(参照:あのマンガもこのマンガも全部タダ!バイドゥジャパンの電子書籍共有サービスが真っ黒すぎて怖い)
問題はゲーミフィケーションがユーザーの海賊版コンテンツアップを促す仕組みになっているケースが多いことだ。人が見るコンテンツ=海賊版コンテンツをアップしまくることでアクセス数を集めるという寸法だ。今回の盗撮犯もたんに仲間に自慢したいというだけではなく、サイトのポイントを集めるために犯行を決意したという。
ウェブサービスにひきつけるための手法としてゲーミフィケーションは非常に優れている。それだけにへんなサービスに実装されると、犯罪者生産システムともなりかねないようだ。
*画像は中青網の報道。